次世代iOSのSiriはスポーツにも詳しくなるようです。アップルが募集しているソフトウェアエンジニアの要項から判明しました。
ファンタジーフットボールチームを管理せよ!?
大手求人サイトのLinkdinを確認すると、「Siriソフトウェアエンジニア―スポーツ」と題して、Siriをスポーツに関しても詳しくできるようなソフトウェアエンジニアを募集していることが確認できます。もちろん働く場所はアップル本部です。
詳細をみると、
Siriチームは新たに強力な技術スキルを有したメンバーを募集する。特殊なユーザー特性に応えることができて、スポーツを愛することが好ましい。他領域のエンジニアたちと協力して仕事を進めることができ、Siriのスポーツ知識を大いに富ませてくれる人を望む。そして応募者は、自分のファンタジーフットボールチームを管理することが、401k年金を管理することと同程度に重要だということを知っておかなければならない。
とユーモラスな募集要項が記載されています。
アップルのオープン性のなさが募集にはマイナスか
世界中に影響を与えたいと渇望する開発者によって、Siriのような広範に使われているプログラムの開発に携わることは大きな魅力であるに違いありません。しかしここ数年、アップルがAI技術を記した論文を発表することは多くなく、どちらかと言えば、百度やFacebook、マイクロソフト、Twitterにオープンソースライセンスでは遅れを取ってしまっている状況です。米メディアBloombergも、アップルのオープン性のなさが優秀なAI開発者の募集を難しくしてしまうだろうと述べています。
過去1年、アップルはEmotientやPerceptio、VocalIQといったAI関連の企業を次々と買収しました。Siri自身も元はと言えば、2010年に買収したSiriの産物です。
秘密裏にことを進めながら技術を持った企業を直接買収してしまう――アップルのやり方はまるでAI開発者の募集を諦めてしまったかのようにも思えますが、決してそんなことはありません。
注目すべきは、募集要項に書かれた「広範なスポーツ知識――Siriにも同様に授けられることを願う」という点です。ここではSiriを「ライブ・サービス・プロバイダー」として、今まで以上にスポーツに関する情報やニュースをユーザーに提供出来る人材が求められています。
現在のSiriはと言えば、YahooやMLB(米メジャーリーグ)から情報を引っ張ってきているだけで、ユーザーからの問いかけに答えられない時は、ただ検索結果を参照するよう勧めてくるだけです(しかも役に立つとは言い難い)。
年々進化を遂げるSiri
2011年にiOS内へ組み込まれてから、Siriのスポーツ知識がOSを追うごとに豊富になっていったのは確かです。例えば、iOS6ではランキング、試合日程、選手の統計資料、iOS7では好きなチームを答えられるように、iOS9ではチームについて言及すると、試合成績や興行スケジュール、サイトを表示してくれるようになりました。
アップルのSiriを特集した公式ページには現在、スポーツに関して3つの問いかけが新たに並んでいます。「NBAファイナルで勝ったのは誰?」「ダラスのクオーターバックは誰?」といったような質問です。一見すると何の変哲もない問いですが、1つ目は過去形を用いており、2つ目はチームの名前はなく、都市名のみです。これらはSiriの自然言語の処理技術が背景で進歩していることを意味します。
他にも過去数年、アップルは視覚情報面でもSiriの能力を引き上げることに腐心してきました。チームのロゴやメンバーの顔写真の追加はその恒例です。
スポーツ以外でもアップルは以前、音楽やHomeKit分野でのSiriに関するソフトウェアエンジニアを募集していました。しかし、今回の募集要項は明らかにアップル幹部が――これまでとは毛色の違う――Siriをスポーツマニアにしようとしていることが分かります。早ければiOS10やiOS11から反映されると思われますが、「スポ魂」を持ったSiriの登場に大きく期待がかかるところですね。
Source:凤凰科技、http://iphone-mania.jp/news-101727/
(kihachi)