スマートフォンでATMを利用できるサービスがアメリカで開始されました。もちろんキャッシュカードは不要です。不安に思う方は多いかも知れませんが、このサービスは、モバイルウォレットの普及や送金スピードを速めるだけでなく、スキミングなどの不正を減らす効果も期待されています。
アプリの提供元であるWintrustは15の銀行を統括しており、200億ドル(約2兆3,000万円)の資金がカードレスの対象となっています。2013年の夏から徐々にサービスの拡大を始め、現在は41箇所のATMがカードレスに対応しています。これを来月には198箇所にまで増やす見通しです。
わずか10秒で送金が可能
通常のATMでは送金に1分近くかかりますが、カードレスATMならば送金時間はわずか10秒で済みます。ATMに到着したら、Wintrustのアプリで4桁のパスワードを入力してカードレスキャッシュを選択、その後ATMのスクリーンに表示されるQRコードを読み取るだけです。
顧客のデータはスマートフォンの内部ではなく、クラウド上で管理されているので、セキュリティの面でも安心です。そのうえキャッシュカードが無いので、スキミングの可能性はゼロです。大規模なハッキングなどの懸念は残りますが、カードを紛失したり盗難に遭う可能性に比べたら、確率は低いと言えるのではないでしょうか。
電子通貨は根付きにくい
BitcoinやRippleなどの電子通貨を通した決済も、スピード性と手軽さから過去にはもてはやされましたが、一時期1,000ドル(約116,000円)を超えていたビットコインの価格が先日は160ドル(約18,600円)にまで暴落するなど、価格変動が余りにも激しすぎることから、決済手段としては敬遠されているのが現実です。
Apple PayがVisaやMaster Card、American Expressといったクレジットカード会社や大手銀行と提携していることを踏まえても、既存のクレジットカード会社や銀行を介した決済システムが今後も主流となっていきそうです。
参照元:AmericanBanker、http://iphone-mania.jp/news-59288/
執 筆:kihachi