音楽や動画、写真など、最近はたいていのデータをクラウド経由で、複数のデバイスで共有することが容易になりましたが、Appleはこの分野において新たな動きを見せるかもしれません。
米国の特許商標局によれば、Appleは同分野において新たな特許を出願したようです。
指紋をクラウドで同期
Appleが今回出願した新たな特許は、「指紋」をクラウドで同期する技術です。AppleはiPhone5s以降のシリーズと、iPad Air2、そしてiPad mini3にTouch IDと呼ばれる独自の指紋認証システムを搭載し、パスワード入力の省略や、個体識別の実現を果たしていますが、同技術は、指紋が登録されたデバイスにのみデータが蓄積される仕組みとなっており、複数のデバイスを持っている場合やデバイスを買い替えた場合には、新たに指紋を登録し直す必要があります。
これは、守秘情報の保護という点において非常に有用ではあるものの、面倒と感じているユーザーもおり、Appleはその点をカバーするために今回の特許を出願するに至ったようです。
情報の保護は万全か
いくら面倒な操作が省略されるとはいえ、同技術にはやはり心配な点も残っています。クラウド上に指紋を保存し、同期する際、ユーザーはApple IDの入力や、同期先のデバイスでも指紋の認証をする必要がありますが、最近では(日本では今のところ利用できませんが)簡易決済システムApple Payに関してもTouch IDで利用できるようになっており、大規模な流出などが起これば大きな経済的損失が起こる可能性も秘めています。
もちろん、特許を出願したことによってすぐに同技術が採用されるというわけではないものの、万全の体制が整ってからリリースして欲しいシステムであることに間違いはありません。
参照元:appft、http://iphone-mania.jp/news-59490/
執 筆:クロス