米調査会社Asymcoが、iOSアプリ開発者の収益データやその他統計などをまとめ、ハリウッド映画のチケット売り上げと比較するという、面白い試みをしています。
iOSアプリ開発者の収益は累計250億ドル
アップルの発表によれば、2014年のApp Storeにおけるアプリの総売り上げは、前年から50%増の100億ドル(約1兆1,890億円)でした。またアプリ開発者が2014年末までに得た収益は累計で250億ドル(約2兆9,720億円)となっています。
そのほか、米国内ではApp Storeのおかげで62万7,000の雇用が生み出されたというデータもあります。
これらの統計やデータ、以前に発表されたリリースをもとに、AsymcoがまとめたiTunesとソフトウェアおよびサービスの収益グラフが下図です。
グラフの赤い部分が、消費者がApp Storeで実際に支払った金額を示しています。アップルによれば、このうち70%が直接開発者へ支払われ、残り30%が同社の売り上げとなります。このグラフを見ると、音楽やビデオなどのほかのメディアと比べ、アプリの売り上げが大幅に増えているのがわかります。
iOSアプリ売り上げは書籍、ビデオ、音楽を合わせたよりも大きい
次のグラフでは、赤い部分が開発者へ支払われた金額を示し、累計は前述したとおり250億ドルです。同グラフからは、アプリビジネスがデジタルコンテンツや音楽、テレビ、映画レンタルなどの事業よりも巨大化しているのが一目瞭然です。
Asymcoによれば、2014年にiOSアプリ開発者が得た収入は、ハリウッド業界が米国における映画のチケット売り上げで得た収益をはるかに上回っているとのことです。
ただし映画チケット売り上げがハリウッド業界の収益のすべてではないように、App Store売り上げもアプリ収益のすべてではありません。Androidアプリからの収益、広告収益、サービス事業、カスタム開発といった側面も、アプリ事業には含まれるからです。しかしこれらをすべて合わせれば、やはりハリウッド業界全体の収益を上回ってしまうかも知れないと、Asymcoは述べています。
堅調に伸び続けるアプリ業界
またAsymcoが指摘しているのが、iOSアプリ業界は映画業界よりも財政状態が健全だという点です。一部のアプリ開発者のなかにはハリウッドスターより稼ぐ人もでてきており、Asymcoは平均所得ではアプリ開発者のほうが俳優よりも高いと見ています。
また米国においては、iOSアプリが62万7,000の職を生み出しているのに対し、ハリウッド関連の仕事は37万4,000です。下のグラフを見ても、アプリ業界のほうが急速に成長し続けているのがわかります。
アメリカンドリームを実現するには、アプリ開発者を目指すのが近道かも知れません。
参照元 : Asymco、http://iphone-mania.jp/news-60211/
執 筆 : lunatic