iPhoneのデザインをめぐりサムスンと訴訟を繰り広げるAppleに、強力な援軍です。カルバン・クライン氏やポール・スミス氏をはじめ、多くの産業デザイナーや大学教授らが、Appleを支持する法廷助言書を米連邦最高裁判所に提出しました。
デザインの専門家らがAppleを支持、デザインの重要性訴える
iPhoneのデザインを模倣し特許を侵害したとして、Appleがサムスンを相手に起こした訴訟は、2011年から続く法廷闘争となりました。昨年12月、サムスンがAppleに5億4,800万ドル(約550億円)を支払うことでいったん合意したものの、その2週間ほど後にサムスンは、この判断の見直しを求め連邦最高裁判所に上訴していました。
提出された63ページにわたる法廷助言書は、著名ファッションデザイナーをはじめ、Apple新社屋をデザインしたノーマン・フォスター氏のほか、Google、ルイ・ヴィトン、NASA、IBM、フォード、米ゼロックス、Nike、ポラロイド、ヒューレット・パッカード、ポルシェやスターバックスの仕事を担当した産業デザイナーや、デザイン関係の学識経験者ら、111名が署名しています。
法廷助言書は、訴訟の当事者以外の第三者が裁判所に対して意見を提出することができるもので、Apple製品にとってのデザインの重要性、サムスンによるデザイン侵害がAppleに与えた損害が記されています。
世界中で流通し、そのシルエットだけで判別可能なコカ・コーラの瓶を例に挙げ、製品デザインがいかに重要かをアピールしています。
サムスンの主張にある写真は「判断をミスリード」
サムスンがiPhoneの発表より前に同様のデザインを採用していた、とする主張に使われている端末の画像にはスライド式キーボードがあることを都合よく隠し、iPhoneと同様のタッチスクリーン端末であるかのように判断をミスリードしようとしている、と批判しています。
スティーブ・ジョブズ氏「デザインとは人間の創造物の中心にある魂」
スティーブ・ジョブズ氏が「デザインとは人間の創造物の中心にある魂のようなものだ」と語ったように、デザインは製品の外見だけではなく、製品の本質のあらわれです。
デザインの専門家たちが黙ってはいられないと立ち上がったのは、「デザイン」の持つ本当の重要性を訴えたかったと考えられます。
連邦最高裁判所のAppleとサムスンの意見聴取は10月11日に予定されています。
Source:Apple, Apple Insider, http://iphone-mania.jp/news-128490/
(hato)