Appleが、大容量で、爆発事故等を起こしにくい安全なバッテリーの特許を申請しました。リチウムイオン電池の衝撃や熱の影響を受けやすいという弱点をカバーする技術です。
バッテリーを金属製筐体に高密度で封入、大容量化と強度向上
Appleが申請した「バッテリー缶 (Battery Can)」と名付けられた特許技術は、金属製筐体にバッテリーの層を高密度で封入しているのが特徴です。
バッテリーを筐体に密着させることで、過熱や膨張、爆発を防ぐことができる、と特許申請書類の中でAppleは説明しています。
また、金属製筐体はさまざまな形に加工することが可能であり、機器内部のスペースを有効活用できるほか、表面に凹凸をつけたり模様を入れたりすることで、強度を高めることも可能です。
特許申請書で、この技術の恩恵を受ける可能性のある製品として「iPhone、iPad、iPod及びApple TV」と具体的な製品名が挙げられています。
しかし、12インチMacBookでは薄型の本体内にバッテリーを効率よく配置する設計としていることから考えると、MacやApple Watchなどの製品に活用されても不思議はありません。
この特許は、現地時間2016年4月1日に申請され、10月6日に公開されました。
身近なリチウムイオン電池、実は衝撃や熱に弱く、爆発の原因にも
現在、多くのモバイル機器のバッテリーに使われているリチウムイオン電池には、衝撃や熱の影響を受けやすいという弱点があり、膨張や発火、爆発といった事故が時々発生しています。
世界各地で爆発事故を起こしているSamsungのGalaxy Note 7は、バッテリーの設計上の問題が指摘されています。
iPhoneでも、膨張や爆発といった事故が時々発生するのは、強い圧力や衝撃、高熱が原因となることが多いと考えられています。
Appleが取得している他の特許と同様、この特許技術が実際に製品化されるかは不明です。もし製品化されれば、より安心してiPhoneなどの機器を使うことができるため、早期の実用化に期待したいところです。
Source:Patently Apple
Photo:Apple
(hato)