アップルが、買収した定額制音楽サービスBeats Musicを取り入れた、新たな音楽サービス立ち上げに向けて本格的に動き始めたようです。米メディア9to5Macが報じています。
アップルは昨年5月末に、ヘッドフォンおよびスピーカーメーカーのBeats Electronicsとストリーミング音楽サービスのBeats Musicの買収を発表しました。以来同社はBeatsの技術とコンテンツを活用し、SpotifyやRdioに対抗する新サービスの開発に取り組んできましたが、9to5Macの取材により、ようやくその一端が明らかになりました。
新サービスはクラウドストリーミング
新サービスはクラウドストリーミングをベースとし、ユーザーの音楽ライブラリを中心に構築されています。新しいiTunes/Beatsカタログではすべての曲が検索可能で、ユーザーはストリーム受信する曲をカタログから選べるだけでなく、自分のライブラリに曲を追加することもできます。また自分のiOS端末やコンピュータに特定の曲だけを選んで保存することも、すべての曲をクラウドに保存しておくことも可能です。
Beats Musicの「プレイリスト」「アクティビティ」「ミックス」機能も統合されているため、さまざまな既存のプレイリストへもアクセスできます。またBeatsのソーシャルネットワーキング機能もそのまま活用され、ほかのユーザーやアーティストのフォローが可能になる模様です。
このようにBeats Musicの機能や特徴が取り込まれる一方、インターフェースはBeatsのものではなく、iTunesやiOSの音楽アプリを踏襲する、アップル独自のデザインとなるようです。現在アップルは、Beatsを統合したiTunesおよび音楽アプリの開発を進めているのことです。
サービス開始発表はWWDCで行われる?
気になる料金ですが、アップルは当初月額5ドル(約586円)でレコード会社と交渉していましたが、現在は同7.99ドル(約936円)で検討中とされています。これはBeats Musicの月額9.99ドル(約1,170円)よりやや安い価格設定となります。ちなみに競合するSpotifyやGoogle Play Musicも9.99ドルで提供しています。
また新音楽サービスは、Android版も同時に開発が進められています。Beats MusicにもAndroid版は存在しましたが、これはBeatsが開発したものだったため、アップルがBeatsを買収した当初は、Android版のサポートは中止されるのではという噂も流れていました。ただしWindows端末版の開発予定はないようです。
当初は3月とされていた新音楽サービスの開始時期ですが、現時点では世界開発者会議(WWDC)が開かれる6月にずれ込むという見方が濃厚となっています。
参照元 : 9to5Mac、http://iphone-mania.jp/news-61437/
執 筆 : lunatic