12月13日深夜に注文したAirPodsが手元に届いたので、iPhone7 Plusと接続して使ってみました。気になっていた「耳からの外れにくさ」や「音質」、使ってみて分かった注意点をご紹介します。また、AirPodsが「買い」なのかを考えてみます。
一瞬で終わる初期設定
AirPodsの初期設定は、Appleのサポートページにあるとおり、iPhone の近くでAirPodsの充電ケースのフタを開け、画面に表示された「接続」をタップするだけで、一瞬で完了します。
AirPodsが耳に装着されたことを検知すると「ボンッ」という効果音が鳴ります。人に話しかけられた時など、片方のAirPodsを外すと音楽の再生が一時停止され、再び耳に戻すと再生が再開されます。
両耳のAirPodsを外し、充電ケースに戻すと、iPhoneとのBluetooth接続もオフになるので、一般的なBluetoothイヤホンのような、電源オン・オフ操作が不要です。
再生・一時停止や電源という、最も頻繁にする「操作」を、一切の「操作」なしにできる、という点は非常に気が利いていると感じました。
電波・接続の安定性:家の中を歩き回っても問題なし!
電波の弱いBluetoothイヤホンだと、バッグに入れたiPhoneとの通信が不安定なものもありますが、AirPodsはiPhoneがバッグに入っていても全く問題ありません。
電波がどの程度届くのか、筆者の自宅マンション内を歩き回ってみましたが、ドアや壁を隔てても全く影響がありませんでした。AirPodsを装着していれば、家のどこにいてもiPhoneの音楽を聴き、通話もできます。
本当に耳から外れないのか?
「耳からの外れにくさ」ですが、9月の発表会直後に多くの記者が試したように、頭を振ったり走ったりジャンプしたりしてみましたが、脱落することもずれることもなく、これは新鮮な驚きでした。
筆者は、左右の耳の穴の大きさが若干異なり、イヤホンのイヤーピースを左だけ大きいものに変えていました。AirPodsは交換用イヤーピースもなく、左右での装着感に差があるのではないかと不安でした。
しかし(左がわずかにゆるく感じるものの)、左右ともに安定して耳に収まっています。
私たちは従来のイヤホンの外観に慣れているため、ケーブルがないと耳から落ちそうで不安に感じますが、AirPodsは、EarPodsよりわずかに重い本体が耳と顔に密着し、ケーブルに引っ張られる力がかからないことで安定しているのだと感じられます
Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)が語っていたように、AirPodsが耳から落ちない理由は「ケーブルがないから」だと実感しました。
なお、最近、マラソンランナーがAirPodsを装着して10km走った結果、まったく問題なかったとのレポートも公開されています。
落下に注意が必要なのは装着の前後!
むしろ、落下に注意が必要なのは、装着中ではなく、装着の前後かもしれません。
AirPodsは表面がツルッとしているので、筆者は充電ケースとの出し入れ時、手が滑ってAirPodsを落としそうになりました。慣れるまで、装着前後は慎重になった方が良さそうです。
AirPodsの左右をつなぐケーブルを使う方も、ケースの出し入れ時には外さなくてはならず、最も無防備ですので、ご注意ください。
なお、充電ケースに戻す時は、ケースに挿し込めば、AirPodsは磁力でカチッと定位置に収まってくれます。
音質:有線EarPodsと同等、BGM用途なら十分なレベル
AirPodsと、iPhone7 Plus付属のEarPods(Lightning接続)で、数曲の音楽とPodcastで聴き比べてみました。
結果、筆者の耳では、AirPodsとEarPodsの差はほとんど感じられませんでした。低音もある程度出ていますし、Podcastで人が話す声もクリアに聞き取れます。
高音質を求めるユーザーには、より音質にこだわったヘッドホンの利用が向いていると思いますが、通勤や軽い運動のBGMを聴くような使い方なら、ケーブルから完全に解放されることのメリットが大きい気がします。
軽い装着感なので長時間使っても疲れない
AirPodsを耳に装着して音楽を聴いたまま、2時間ほど過ごしてみましたが、装着感が軽いため、耳が痛くならないのは魅力に感じられました。
筆者は以前、密閉性の高い1万円台後半のカナル型イヤホンを使っていた時期もありましたが、筆者には合わなかったようで、耳が痛くなるのが辛くて使わなくなってしまいました。
AirPodsは、「特別な高音質を追求しないBGMを楽しむための道具」と割り切れば、快適に使うことができます。
ダブルタップでSiriを呼び出して操作、周囲の目が気になるかも
AirPodsの操作は、iPhoneからの操作に加えて、ダブルタップでSiriを呼び出して行うのがデフォルトとなっています。
音声でボリュームや曲のスキップといった操作が、iPhoneを取りださずにできるのは非常に便利ですが、電車の中や人ごみでは周囲の目(耳)が気になり、少々勇気が必要です。
ダブルタップ操作をSiri呼び出しではなく、再生/一時停止の切り替えに割り当てることも可能なのですが、筆者はしばらくSiriでの操作を試してみようと思います。
今後、呼び出せる操作が増えるとさらに使い勝手が良くなりそうですが、ソフトウェアのアップデートで対応可能となることに期待したいと思います。
AirPodsは税込み18,144円の価値があるのか?
AirPodsは、税別16,800円、税込みだと18,144円と、イヤホンとしては決して安くありません。それでも、「完全ワイヤレス」であることのメリットは大きく、買って損はないと感じます。
Bluetoothイヤホンの多くには、左右をつなぐケーブルがあります。バッグやポケットに入れたイヤホンのケーブルが絡むストレスと無駄な時間から解放されたい方なら、AirPodsは「買い」と言えるでしょう。
また、長時間の装着でも疲れにくくケーブルに邪魔されないので、ゴロゴロしながらiPhoneやiPadで映像配信を楽しむ、といった使い方にも向いていると思います。
今後、AirPodsを使っていく中で感じたことなど、まとまり次第ご紹介いたします。
(hato)