40年前の今日、1977年1月3日に、スティーブ・ジョブズ氏、スティーブ・ウォズニアック氏、マイク・マークラ氏の3人が、Apple Computerを法人化、Appleが誕生しました。40年という節目を迎えたAppleの、これまでの歩みを簡単に振り返ってみたいと思います。
Apple IIの発売と成功
Appleが初めて発売したコンピューターは「Apple I」ですが、法人化してから発売した第1号は、ウォズニアック氏が開発した1977年4月発売の「Apple II」です。
Apple IIは爆発的に売れました。それに伴いAppleも急成長を遂げ、1977年9月から1980年9月にかけて、売り上げを77万5,000ドルから1億1,800万ドルまで伸ばすという、実に年率533%もの成長率を記録しています。
その後シリーズとして展開されたApple IIは、1993年に製造終了するまで、500万台から600万台を売り上げたとされています。
1980年12月、Appleは1株あたり22ドルで株式公開を果たしました。
Macintoshの誕生
AppleのコンピューターといえばMacですが、前述したように最初に発売されたコンピューターの名称は社名と同じAppleでした。しかしApple IIは一般ユーザーには扱いが難しすぎることから開発されたのが、1984年発売のMacintoshです。
グラフィックユーザーインターフェース、そしてマウスでの操作が可能なMacintoshは、今も伝説として語り継がれている、リドリー・スコット監督によるスーパーボウルのテレビコマーシャル「1984」とともに、1984年1月に華々しいデビューを飾りました。
しかし発売当初こそ売り上げも好調だったものの、Apple IIと互換性がなかったために対応ソフトが少なく、その後の売り上げは芳しいものではありませんでした。
ジョブズの追放
1983年にAppleの最高経営責任者(CEO)に就任していたジョン・スカリー氏とジョブズ氏の対立が深刻化、スカリー氏は役員会を味方につけ、1985年にジョブズ氏をすべての役員業務から外しました。ジョブズ氏は同年Appleを去り、NeXT社を立ち上げています。
ジョブズ氏の退社後、Macintoshを手の届く価格である1,000ドルに設定すべきと主張したジョブズ氏の意向とは反対に、Macintoshは高利益を目指す高価格製品となっていきます。しかし1989年のクリスマスシーズンに、Appleは初の売り上げ減を経験し、株価も20%も急落してしまいます。
1991年にはPowerBookが発売、また同年には初めて全面カラー化され、「Finder」によってアイコンのカスタマイズを可能とした画期的なOS、System 7がリリースされました。
PowerBook、そして低価格かつカラー表示を実現したMacintosh LC(ローコスト・カラーという意味でした)は成功を収めました。しかし一方で高額マシンは売れず、それをカバーすべくリリースした製品が次々に失敗するという低迷期に陥っていきます。
戦略の失敗と低迷期
Appleはこの頃、複数のブランドをリリースしています。1991年にはハイエンドモデル「Macintosh Quadra」、1993年にはミッドレンジの「Macintosh Centris」を発売。そして1992年には、一般ユーザーを狙った「Macintosh Performa」をデパートや量販店経由で販売するという、それまでとはまったく異なる販路を使おうとしたものの、これが失敗に終わります。
技術としては革新的ではあったものの、失敗に終わったApple初の携帯端末Newtonが発売されたのも1993年でした。
こうした失敗を受け、スカリー氏は1993年にAppleのCEOを辞任。その後マイケル・スピンドラー氏が1993年から1996年、ギルバート・アメリオ氏が1996年から1997年までCEOを務めました。
そしてアメリオ氏はスティーブ・ジョブズ氏が設立したNeXTを買収、ジョブズ氏をAppleに呼び戻す決断を下します。
ジョブズの復帰
1997年、AppleによるNeXT買収に伴い、ジョブズ氏はアドバイザーとしてAppleに復帰しました。アメリオ氏は業績不振の責任を問われてCEOを辞任、ジョブズ氏が暫定CEOに就任し、Appleの立て直しに着手します。
そして1998年Appleは、ディスプレイ一体型デスクトップ「iMac」を発売しました。iMacがパソコンの歴史を変えたといっても過言ではないでしょう。最初はボンダイブルー一色でしたが、その後キャンディーカラーとして多色展開していきます。
2001年には、現在のOSにつながるMac OS Xがリリース。そして同年、Appleは初のApple Storeをカリフォルニア州とバージニア州にオープンします。
音楽の楽しみ方を変えた携帯型デジタル音楽プレイヤー、iPodの第1号が発売されたのも2001年です。Appleは2003年にiTunes Storeを導入、2008年6月19日までに50億回以上のダウンロードを記録したとされています。
Apple Inc.への社名変更とジョブズのCEO退任
2007年1月9日、Macworld Expoの基調講演において、ジョブズ氏はApple Computer をApple Inc.へと社名変更すると発表しました。コンピューターからより家電へと焦点を移していくという意志を反映してのものでした。
またこのイベントでAppleは、Apple TV、そしてAppleの売り上げの柱となっていくiPhoneを発表しました。
2010年4月に米国で発売されたタブレットPC、iPadは、初日で30万台以上、発売週の週末までに50万台以上売れたとされています。
そして2011年8月、ジョブズ氏はCEOを辞任して会長となり、ティム・クック氏が新CEOに就任しました。
クックCEOの誕生、そして現在のAppleへ
Appleを再建したジョブズ氏は、2011年10月5日にこの世を去りました。
Appleは2011年から2012年にかけて、iPhone4s、iPhone5、第3・4世代iPad、iPad Mini、13インチMacBook Pro、新iMac、Mac Mini、Siri、iCloudなど、新製品および新技術を次々に打ち出します。
2013年にはiPhone5sやiPhone5c、iPad Airなど、2014年には大きな売上を記録したiPhone6/6 Plus、そしてApple初のウェアラブルApple Watchを発売。2015年のiPhone6s/6s Plus、iPad Pro、2016年発売のiPhone7/7 Plusなどは、読者の皆さんの記憶にも新しいところでしょう。
40年前にコンピューター・メーカーとしてスタートしたAppleも、iPhone、iPad、Apple Watch、そして仮想現実(VR)や自動運転車と、時代の流れとともに新しい技術に取り組んでいます。10年後には、今からは想像もつかないような、新しい製品を開発しているかも知れません。
Source:Apple,Wikipedia
Photo:Wikipedia
(lunatic)