デュアルカメラを活かしたポートレートモードが利用可能となったiPhone7 Plusは、従来の「Plus」モデルよりもよく売れている、とCowenのアナリスト、ティム・アーキュリィ氏は分析しています。
伸び悩むiPhone7シリーズの販売
iPhone7シリーズは、従来モデルよりも売れていない、とアナリストたちは分析しています。その背景には、ユーザーが1台のスマートフォンを使う期間が長くなり、iPhoneの低価格モデルに対する優位性が薄れていることなどが挙げられています。
また、初代iPhone発売から10周年記念モデルとして噂される「iPhone8」が出るまで買い替えを先送りするユーザーも少なくないと見られています。
iPhone7 Plus、「Plus」シリーズとしては最高のシェア
アーキュリィ氏の推計によると、iPhone7 Plusの販売台数は、iPhone7シリーズ中の約40%を占め、これはiPhone6s Plusまで20%台前半だった割合から大きな伸びとなります。
アメリカでは、iPhone7 Plusのシリーズ内シェアが47%と半数に迫り、iPhone6s Plusの35%から大きく伸びています。
この傾向がより顕著だったのが中国市場で、iPhone7 PlusがiPhone7シリーズ全体の52%と過半数にのぼり、初めて4.7インチモデルの販売を上回りました。
この傾向についてアーキュリィ氏は「iPhoneユーザーは目新しく、クールなモデルを求めている」と語っています。しかし、デュアルカメラと3GBメモリを搭載したiPhone7 Plusも、ユーザーの期待には応じきれていない、と同氏は分析しています。
デザイン刷新で人気集中必至の「iPhone8」という課題
「iPhone8」とされる今年のiPhoneは、金属製のフレームをガラスで挟み込むデザインへと刷新され、曲面有機EL(OLED)ディスプレイやワイヤレス充電などが搭載される、と噂されています。
アーキュリィ氏の言うように、目新しさを求めるiPhoneユーザーが多ければ、外観も機能も刷新された「iPhone8」に人気が集中することでしょう。
2016年、iPhone7 Plusはデュアルカメラ用部品の製造上の歩留まり率の問題で、発売直後に十分な供給ができずに販売機会を逃したといわれています。
Appleにとっては、「iPhone8」発売直後の時期に、極端な品薄を起こさずに販売台数を伸ばせる、安定した供給体制を整えられるかも課題となりそうです。
iPhoneの平均販売単価は上がる?下がる?
現地時間1月31日に発表されるAppleの四半期決算の予測としてアーキュリィ氏は、標準モデルより高価なPlusシリーズの好調が、iPhoneの平均販売単価を引き上げ、Appleの収益を押し上げる効果がある、と述べています。
一方、Barclaysのアナリスト、マーク・モスコビッツ氏は、iPhone7よりもiPhone6sを選ぶ顧客が増えていること、iPhone SEが売れていることによる平均販売価格の下落が起きている、との予測を発表しています。
iPhone7シリーズ発売後最初の四半期決算発表の様子は、Appleの公式サイトでリアルタイムでストリーミング配信されます。
Source:WSJ
Photo:ConceptsiPhone
(hato)