iPhoneの販売台数が四半期単位で過去最高を記録した、Appleの2017年第1四半期(2016年10-12月期)決算の勢いが分かる、過去約5年間の決算を分かりやすくまとめたグラフを、Six Colorsが公開しました。
Appleの売上高、鮮やかな逆転!
現地時間1月31日、Appleが2017年第1四半期(2016年10-12月期)決算を発表しました。iPhoneの販売台数が1年ぶりに増加に転じるなど、ドラマティックな四半期決算を、Apple情報メディアのSix Colorsが公開しているので、ご紹介します。
総売上高は783億5,100万ドル(約8兆8,400億円)で、直近3四半期ほどは前年同期比マイナスが続いていた反動のように、過去最高だった前年同期を上回っています。
売上高の前年同期比の推移です。近年のAppleにとって、前年同期比でマイナスになった直近3四半期は異常事態だったと言えるのかもしれません。なお、4.7/5.5インチへと大画面化し大ヒットを記録したiPhone6/6 Plus発売直後の2015年第1四半期(2014年9-12月期)には、前年同期比17.0%と大きな伸びを示しています。
Appleの利益は、178億9,100万ドル(約2兆円)で、前年同期比では4四半期連続でのマイナスです。
周期的に販売が伸びるiPhone
iPhoneの販売台数を四半期ごとに見ると、9月の新モデル発売後にホリデーシーズンを迎えることもあり、毎年第1四半期(10-12月期)に販売が大きく伸びる周期があります。
2017年第1四半期、iPhoneの出荷台数は7,829万台で、世界のスマートフォン市場でSamsungを抜きiPhoneがトップに立ちました。
これは、iPhone6発売後の2015年第1四半期、iPhone6s発売後の2016年第1四半期を上回る数字で、前年同期比マイナスが続いた3四半期分の勢いを取り戻すように伸びています。
iPhoneの売上高の対前年比推移を折れ線グラフにすると、マイナスの赤いゾーンに潜っていた低迷から脱出するきっかけをつかんだように見えます。
Macの売上高は記録更新
四半期ごとのMac売上高は、iPhoneほど大きく変動しない傾向があります。新型MacBook Proの発売があった2017年第1四半期の売上高は、72億4,400万ドル(約8,126億円)と、最近5年で最高を記録しています。
Macの販売台数は、2017年第1四半期は537万台で、前年同期をわずかに上回っています。販売台数の伸びは小さくても、売り上げが伸びたのは、販売単価の高いMacBook Proが寄与していると考えられます。
MacとiPhoneの平均販売単価は上昇
Mac、iPhone、iPadの平均販売単価の推移をみると、MacとiPhoneは2017年第1四半期に伸びています。これは、MacBook ProとiPhone7 Plusの好調が反映されていると言えるでしょう。
一方、iPadの平均販売単価は、単価の高いiPad Pro(12.9インチは2015年9月、9.7インチは2016年3月にそれぞれ発表)の効果か、2016年第2四半期(2016年1-3月期)から第3四半期(2016年4-6月期)に小さな山を作っていますが、低下傾向にあります。
iPad販売台数の前年同期比の推移を折れ線グラフにすると、2014年第2四半期以来、マイナス成長を続けていることがわかります。
今年のデザイン刷新が噂される、次世代モデルのiPad Proが逆転のきっかけを作れるか、注目されます。
売り上げを伸ばし続けるサービス部門
毎回新記録を達成し、安定した右肩上がりの成長を続けているのは、サービス部門の売上高です。サービスには、アプリやApple Musicといったデジタルコンテンツのほか、Apple CareやApple Payなどが含まれ、すでにMacに匹敵する規模の売上高をあげています。
2017年には、「iPhone8」あるいは「iPhone X」と噂されるiPhone10周年記念モデルをはじめ、本体サイズを維持して大画面化すると噂の「iPad Pro2」など、多くの新製品発表が見込まれています。
ここでご紹介したほかにも、Six Colorsのサイトには多くのグラフが掲載されていますので、興味のある方はご覧ください。
Source:Six Colors
(hato)