スマートフォンの爆発・発火事故をなくせるバッテリーが、日本で開発されました。産業技術総合研究所(産総研)が、発火や爆発の心配のない、全固体リチウムイオン二次電池を開発したと発表しました。
可燃性の液体から不燃性の個体へ
リチウムイオン電池は、エネルギー効率の高さと価格の安さから、スマートフォンをはじめ、多くの身近な電子機器に使われています。
しかし、可燃性の有機電解液を用いるため、世界各地で爆発・発火事故を起こしたSamsungのGalaxy Note 7の事故原因となったほか、時々iPhoneでも爆発事故が発生しているように、不安定な性質の克服が課題とされていました。
2020年頃の実用化を目指す
産総研が開発した全固体リチウムイオン二次電池は、液体電解液のかわりに不燃性の固体電解質を使い、信頼性とエネルギー効率、低コストを実現しています。
産総研は今後、企業と連携して量産化にむけた技術開発を進め、高い安全性と信頼性、長寿命が求められる医療用機器から、2020年頃の実用化を目指す、と発表しています。
応用が進めば将来のスマートフォンではバッテリーに起因する発火事故もなくなると期待されます。