Appleがインド政府に対し、整備済みの中古iPhoneの販売を認めるよう再び求めている、とBloombergが報じています。低価格帯の中古品で、巨大市場攻略の糸口をつかみたい考えですが、政府は難色を示しています。
iPhone製造の条件とあわせて中古販売の許可も交渉中
Appleが今年4月末までにインドのバンガロールでiPhoneの組み立てを開始する、とインドのIT担当大臣が明かして注目を浴びましたが、Appleはインド政府側との交渉を続けています。
Wistronに委託する大規模iPhone製造工場の設置に向け、Appleは15年間の免税をはじめとする政府側からの支援のほか、インド政府当局から却下された中古の整備済みiPhoneの販売認可について、再度交渉している模様です。
約13億人の人口を抱え、2020年までに7億5,000万台のスマートフォンが売れると注目される成長市場のインドですが、物価水準と比較するとiPhoneが世界一高いと言われており、iPhoneは一般庶民が手を出せる価格ではありません。そのため、インド国内での2016年の年間出荷台数はわずか250万台で、シェア2%の10位と低迷しています。
市場攻略の第一歩にしたいApple、国内産業保護のため難色示すインド政府
Appleとしては、価格に敏感なインド市場攻略の第一歩として、品質保証つきの中古iPhoneを低価格で販売したいところです。しかし、国内の産業振興政策に力を入れるインド政府は、海外から中古スマートフォンが大量に流入することによる影響を懸念、難色を示しています。
Gartnerのアンシュアル・グプタ氏は、インドで販売されているスマートフォンの70%は200ドル(約22,500円)以下で、iPhoneは価格の下がった旧モデルが中心であり、整備済みの中古品もインドでは「現役」だ、と指摘しています。
実現すれば初のケース
Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)は昨年5月のインド訪問中、iPhoneの中古品販売について「レクサスやメルセデス・ベンツの認証済み中古車と同じようなもので、すでに世界各国で導入の実績がある」と、地元紙のインタビューに語っています。
もし、インド国内で中古iPhoneの販売が認可されれば、Appleは中古品を輸入販売する最初の企業となります。
Source:Bloomberg
(hato)