かつてNokiaが所有していた通信プロトコル技術の特許を侵害しているとしてアップルが訴えられていた事件で、テキサス連邦裁判所はアップルが特許を侵害していないとの判決を下しました。裁判の結果のみならず、提訴した側がNokiaではなく特許専門会社であったこともあり話題となっています。
特許違反は認められず
今回争点となった通信プロトコル技術の特許は、かつてはNokiaが所有していたものの、その後同社がカナダの特許専門会社であるConversantに部分的に売り渡した特許でした。このConversantの子会社であるCore Wirelessが2012年からアップルを訴えていました。
訴えの内容は、特許を使用する企業が特許を有する企業に使用料を支払う仕組みであるFRANDライセンス(Fair, Reasonable And Non-Discriminatory terms:平等かつ妥当で公平なライセンス)の基準にアップルが違反しており、損害賠償と将来の特許料を請求するというものでした。
裁判で審議がなされた結果、アップルに対する1億ドルの損害賠償は却下された一方で、Core Wirelessが取り決めに違反しているというアップルの反論も却下されました。
マイクロソフトも絡んでいた
ConversantはNokiaから大量の特許を購入していますが、この5件に関しては完全に所有しているわけではなく、マイクロソフトとNokiaの代わりに特許をマネタイズし、特許から得られる3分の2の利益を得る権利を有するという取り決めを、マイクロソフト及びNokiaと交わしていました。
マイクロソフトは昨年Nokiaのデバイス・ビジネスを買収したことに先立ち、NokiaのプラットフォームをWindows Phoneに用いるにあたって、これら2,000件の特許使用の取引を2011年の時点でNokiaと結んでいました。
iTunesがSmrtflashの特許を侵害していたとして、アップルが5億3,290万ドルの損害賠償を請求されたことは記憶に新しいですが、今後もこうした特許専門会社とテクノロジー企業との戦いは激化していきそうです。
参照元:ZDNet、http://iphone-mania.jp/news-66012/
執 筆:kihachi