3月下旬の公開が見込まれるiOS10.3は、Appleの新しいファイルシステム「Apple File System(APFS)」が導入されるため、アップデートはこれまで以上に、慎重に行う必要があります。
HFS+からAPFSへ、20年ぶりの世代交代
iOS10.3にアップデートすることは、iPhoneの中身を大きく作り変えることを意味します。
iOS10.3で導入されるApple File System(APFS)は、2016年のWWDCで発表された、iOSやmacOS、watchOS、tvOS用の次世代ファイルシステムで、フラッシュメモリストレージに最適化され、暗号化が強化されており、安定性や処理速度が向上しています。
現在のiOSやmacOSで使われているファイルシステムであるHFS+は1998年に発表されており、HFS+からAPFSへ、約20年ぶりの世代交代となります。
アップデート中断でデータを失う可能性も
iOSを10.3にアップデートすると、内部のファイルフォーマットがHFS+からAPFSへと自動的に書き換えられます。万が一、アップデートを途中で不用意に中断してしまうと、データが失われ、元に戻せない可能性があります。
そのため、いつもはiOSのアップデートをWi-Fi経由で手軽に済ませる方も、iOS10.3へのアップデートは、パソコンにデータをバックアップした上で、時間に余裕を持って行うことを強くお勧めします。
ニュースメディアMashableは、大規模アップデートのOS11ではなく、比較的小規模なアップデートであるiOS10.3でAPFSを導入するのは興味深い動きだ、と指摘しています。
なお、iOS11は今年6月のWWDC2017で発表され、一般向け公開は9月になると見込まれます。
32ビットアプリを警告、「AirPodsを探す」が利用可能となるiOS10.3
これまでに公開された開発者向けベータ版から、iOS10.3は32ビットアプリを検知すると「iPhoneの動作が遅くなる可能性がある」と警告することが分かっています。
また、アプリ開発者がレビューに対しコメント可能になり、「AirPodsを探す」が利用可能になると報じられています。
iOS10.1ではiPhone7 Plusのポートレートモードが利用可能になり、日本でApple Payが利用可能になりました。iOS10.2では100個以上の絵文字が追加され、スクリーンショットの無音撮影が可能になりました。
これらの変化に比べると、iOS10.3は地味な印象を受けるかもしれませんが、アップデートはしっかりバックアップの上で行いましょう。
Source:Mashable, Apple
Photo:YouTube
(hato)