総務省が、携帯電話大手3社に対して行政指導を行う方針を固めた、と日本経済新聞が報じています。覆面調査の結果、店頭での販売時に、「2年縛り」やデータ通信速度の制限など、契約条件に関する説明が不十分であることが判明したため、行政指導に踏み切ります。
大手3社に計300回の覆面調査を実施
総務省は1月から3月にかけて、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの携帯電話キャリア大手3社の販売店について、各社100回の覆面調査を実施し、販売員による説明内容を記録する調査を実施しました。
調査の結果、いわゆる「2年縛り」の対象とならない料金プランを紹介しなかった事例が68%、契約の自動更新についての適切な説明がなかった事例が66%、データ通信量が一定量を超えると速度制限がかかることの説明がなかった事例が46%などと、契約にあたって説明が不十分なケースが多く見られました。
ドコモには別途指導、光回線業者にも
NTTドコモに対しては、自宅での電波状態が悪い場合、契約後8日間以内なら契約解除できる制度があるにもかかわらず、契約解除に応じなかった事例があったとして、別途の行政指導を行う方針です。
このほか、NTTコミュニケーションズやケイ・オプティコムなど、光回線業者18社についても覆面調査を実施した結果、8割のケースで「2年縛り」以外の選択肢を提示しなかった、として行政指導を行う予定です。
「格安スマホ」も調査対象に
総務省は、「格安スマホ」として認知度が高まるMVNO事業者も調査対象とする方針です。
「格安スマホ」については、消費者の節約志向もあり認知度は高まっているものの、従来の大手キャリアとの違いを理解しないまま契約してトラブルになる事例も多いとして今年4月、国民生活センターが注意を呼びかけています。
利用者も、冷静に考える姿勢で自衛が必要
大半の携帯電話ショップの運営を担う販売代理店各社には、利用者が必要とする情報を適切に提示することが求められるのはもちろんです。しかし、総務省による調査からは、目先の料金の安さばかりをアピールし、その詳細な条件が説明されていない、店頭での販売の実態が浮き上がりました。
そして、私たち利用者も、料金が安くなるには何か契約上の条件があるはず、と冷静に考えて自衛する姿勢も必要となりそうです。
Source:日本経済新聞
(hato)