JR西日本、JR東海は、東海道・山陽新幹線をインターネットで予約し、チケットなしで乗車できる新サービス「スマートEX」を2017年9月30日より開始することを発表しました。従来のエクスプレス予約とは異なるサービスで、Apple PayのSuicaの利用も可能です。
エクスプレス予約と違い、手持ちの交通系ICカードで乗車可能!
新しく提供開始される「スマートEX」は、窓口に並ばずに新幹線の座席をネット予約でき、予約した新幹線に乗車券の代わりにクレジットカードや交通系ICカードを使って乗車できるサービスです。
すでに提供されている類似サービス「エクスプレス予約」との違いは、エクスプレス予約に対応した専用カードなどの作成が不要になることで、手持ちの交通系ICカードで乗車できるのがメリットです。
エクスプレス予約 | スマートEX | |
---|---|---|
対象区間 | 東海道・山陽新幹線(東京~博多間) | |
会員登録方法 | 対象クレジットカードに入会手続きし、別途発行される専用のICカードと併せて利用 ※サービスの利用にはカードが届くまで待つ必要がある | 手持ちのクレジットカードを登録 ※対応したカードをすでに持っている場合は、カードの登録だけですぐに利用開始できる |
年会費 | 税込み 1,080円 | 無料 |
予約方法 | スマートフォンやパソコンから簡単な操作で予約 予約変更も可能。何度行っても手数料無料 | |
販売価格 | 通常よりお得な会員価格 会員価格は一年中同額で設定 | 駅窓口での発売額とほぼ同価格 通常期・閑散期・繁忙期などシーズンや列車の種別によって価格変動 |
決済方法 | 対象のクレジットカードで決済 ・JR東海エクスプレスカード ・J-WESTカード「エクスプレス」 ・ほか手持ちの対象クレジットカード | 手持ちのクレジットカードで決済 ・Visa ・MasterCard ・JCB ・アメリカン・エキスプレス ・ダイナーズクラブカード ・J-WESTカード |
乗車方法 | きっぷ受け取り不要で、ICカードを使って乗車する | |
専用ICカード「EX-ICカード」を利用 ※手元に届くまでに申し込みから数週間かかることもある | 手持ちの交通系ICカードで乗車 ・Kitaka ・PASMO ・Suica ・manaca ・TOICA ・PiTaPa ・ICOCA ・はやかけん ・nimoca ・SUGOCA |
ちょうど筆者は数ヶ月前、新幹線を割引価格で利用したいと考え、「エクスプレス予約」の利用申し込みをしました。サービス対象のクレジットカードの入会手続きから、手元にクレジットカードと乗車のための専用ICカード「EX-ICカード」が届くまでかかったのは、申し込み当日から起算して17日です。申し込み日から10日目にクレジットカードが届き、この時点でエクスプレス予約の利用が可能となりました。
ネット予約サービス利用でのお得な運賃で購入するには、乗車の何日前までに予約などの制約もあるため、カードが手元に届くのが間に合わなければ予定に影響することも考えられます。そうした点で、手持ちの交通系ICカードを登録するだけですぐに利用できる「スマートEX」は、スムーズに予約して乗車できる嬉しいサービスです。
「スマートEX」利用の流れと運賃
「スマートEX」は、手持ちのクレジットカードと交通系ICカードを登録することで、すぐに利用可能です。新幹線の座席予約は、専用アプリやWebサイト上で行え、発車前までの間に何度でも予約変更できます。支払いは、予約時にクレジットカードから決済される仕組みです。
予約した新幹線に乗車する当日は、サービスに登録した交通系ICカードを改札にピッとするだけで乗車できます。在来線に乗りかえる際も、同様に交通系ICカードを利用することで、在来線区間の運賃をICカードから決済します。
「スマートEX」を利用した場合の運賃は、所定の運賃よりも少し安くなります。主な区間で比較したのが下の表です。「のぞみ」の普通車指定席で、おとな1名の片道利用の場合、通常期だと東京~名古屋間、東京~新大阪間、東京~広島間いずれも200円引きとなります。なお、東京都区内や大阪市内など、所定の乗車券に適用される特定都区市内制度は適用外です。
東京~名古屋 | 東京~新大阪 | 東京~広島 | |
---|---|---|---|
スマートEX 販売価格 | 10,890円 | 14,250円 | 18,880円 |
所定運賃・料金 (参考価格) | 11,090円 | 14,450円 | 19,080円 |
Apple PayのSuicaにも対応!iPhoneで新幹線に乗車可能に
交通系ICカードが利用できるとなると、iPhone7やiPhone7 Plusなどで利用できるApple PayのSuicaも利用できるのか気になるところです。JR東日本のSuica特設サイトのよくある質問ページでは、Apple PayのSuicaがスマートEXサービスで利用できると掲載されています。
JR東海・JR西日本の「スマートEX」サービスにつきましては、Apple PayのSuicaを交通系ICカードとして登録し、ご利用いただくことも可能です。
スマートEXサービスに会員登録の際、交通系ICカード情報を入力いただきますが、Apple PayのSuicaの交通系ICカード情報(JEから始まる番号)は、Suicaアプリケーションにログインし、Suica一覧でカード券面をタップいただくと「Suica ID番号」として表示されます。
Suica ID番号を登録することで、スマートEXの会員登録が行える仕組みのようです。これにより、iPhoneを改札にかざすだけで新幹線に乗車することが可能になりそうです。
会員登録受付、提供開始は9月30日から
スマートEXの提供開始日は、2017年9月30日(土)午前5時30分からとなっています。会員登録の申し込みも同日から可能となっており、スマートEXの公式サイトでは会員登録手順について詳しく解説されています。
9月末からとなると、9月にも発表・発売が予想されているiPhone7s/7s Plus、iPhone8でも利用できるのでしょうか。新幹線をよく利用される方にはより便利になりそうですね。
Source:スマートEX公式サイト, Suicaよくある質問ページ
(asm)