市場シェアを獲得するため、薄利多売でスマートフォンを展開するメーカーも少なくないなか、Appleはスマートフォン市場で「一人勝ち」とも言えるほど利益を確保しています。もちろん、それを可能にするiPhoneが、高い利益率を有する製品であることは論をまたないでしょう。78,800円(アメリカでは699ドル)のiPhone8の部品コストが、247.51ドル(約27,600円)ほどであることが分かりました。
新機能の搭載などでコストも増加
※ここで取り上げる原価はあくまでも非公式の試算であり、人件費や開発費、組立費、宣伝費、輸送費等、部品コスト以外の諸費用は一切含まれていません。
調査会社IHSの試算によると、iPhone8 64GBモデルの原価総額は247.51ドル(約27,600円)となり、iPhone7 32GBモデルの237.94ドル(約26,530円)から増えたことが分かりました。一見すると、iPhone7から何も変わっていないようにも思えるiPhone8ですが、実際にはディスプレイやチップ、カメラ機能などが向上しているほか、新たにワイヤレス充電に対応しています。
IHSが算出した内訳によると、ワイヤレス充電をサポートするにあたって、Broadcomの新しいコントローラーを搭載したことで、パワーマネージメント費が2ドル(約220円)増えたほか、ストレージのベース容量が32GBから64GBに増加したことで6ドル(約660円)、A11 Bionicチップの採用で5ドル(約550円)ほど、それぞれ費用が増えたようです。
定価に占める割合は約35%
もっとも増えた10ドル分の費用は、しっかりと価格に反映されており、iPhone7で72,800円(アメリカでは649ドル)だった価格は、iPhone8で6,000円(50ドル)ほど高い78,800円へと値上げされています。部品コストが占める割合は、iPhone7の約36%からiPhone8では約35%となっており、基本的にはAppleがこのあたりの割合を維持したいと考えていることが分かります。
また、iPhone8 Plusの原価も288.08ドル(約32,120円)となっており、iPhone7 Plusの270.88ドル(約30,200円)から増加しています。
一方、iPhone Xのコストは有機EL(OLED)ディスプレイの採用などから、412.75ドル(約46,020円)ほどと考えられており、部品コストが価格に占める割合は約41%となっています。
Source:Bloomberg
(kihachi)