AppleがApple Watchに心電図をモニターする機能を組み込む研究を続けているとBloombergが報じています。この計画に詳しい人物からの情報としていますが、実際にこの機能が将来のApple Watchに搭載されるかは依然不透明としています。
不整脈検知に役立つか
現在、心電図の測定は医療機関や救急車内など限られた場所以外では専用の医療器具の装着が必要になります。この機器をApple Watchで代替できれば、長時間の心電図測定から心臓疾患を早期に発見できる可能性があるとされます。またBloombergは一般論として、Apple Watchのようなウェアラブルデバイスによる心電図測定は不整脈の検知に役立つと考えられると医師のコメントを掲載しています。
ただ、この開発計画に詳しい情報提供者も、Apple Watchにこの機能が搭載されるかはまだはっきりしないとしています。仮にApple Weatchで心電図を測定し、それを病気の治療や予防に活用するとすれば、政府機関による医療機器としての認定が必要となります。そうなればApple Watchの製造コスト増加にもつながりかねません。これらを総合的に判断して、Apple Watchへの心電図測定機能の搭載の有無が決められるのでしょう。
ファッションから健康、フィットネスへ
Apple Watchは初代の発売時には200万円を超えるエディションモデルを販売するなど、ファッションアイテムとしての存在を強くアピールしていました。しかしApple Watchの利用方法が確立されるに従って、徐々にAppleが考える用途も健康やフィットネスの管理へと軸足を移しています。高額なエディションモデルの販売は終了し、代わりにナイキとのコラボレーションモデルの販売が始まったのは象徴的なことかもしれません。
また今回の心電図測定以外にもApple Watchで血糖値測定を可能にする研究も続いているとされます。また既存の心拍センサーで不整脈を感知する取り組みも始まっています。これらの研究もApple Watchの用途として健康維持、管理が重視されつつあることの現れと考えられます。
Source:Bloomberg
(KAZ)