iPhone8/8 Plus/Xはハード・ソフトともにより進化した設計となっているため、それ以前のモデルとは異なるパフォーマンス管理が可能となっているとのことです。
「iPhoneのバッテリーとパフォーマンス」をアップデート
Appleは2月6日、サポート文書ページの「iPhoneのバッテリーとパフォーマンス」の項目をアップデートし、同日開発者向けにベータ2が公開されたiOS11.3に盛り込まれている、パフォーマンス管理について説明しています。
Appleは同ページにおいて、iPhoneが搭載しているリチウムイオンバッテリーは消耗品で、化学的経年劣化が進むと性能が低下する、とした上で、次のように記しています。
iPhoneが正常に機能するためには、バッテリーが電子部品に瞬時に給電できなければなりません。この瞬時給電に影響を与える属性の一つがバッテリーのインピーダンスです。バッテリーのインピーダンスが高いと、システムが必要とする電力を供給することができません。化学的経年劣化が進んだバッテリーでは、このインピーダンスが増加する傾向があります。バッテリーのインピーダンスは、充電残量が少ない状態や低温環境下でも一時的に増加します。このような状況と化学的経年劣化が重なると、インピーダンスの増加はさらに顕著になります。(中略)
またiPhoneで突然のシャットダウンが起きてしまう理由を次のように説明しています。
インピーダンスが高いバッテリーから電力が供給されると、バッテリーの電圧が急激に低下します。電子部品が正常に動作するには最低限の電圧が必要です。たとえば、デバイスの内蔵ストレージ、電源回路、バッテリー本体などがそうです。電源管理システムはバッテリーの性能を判断した上でこうした電力供給を行い、システムが継続的に動作できるように負荷を管理していますが、電源管理システムの能力を最大限に発揮しても継続的な動作が難しくなると、電子部品を保護するためにシステムがシャットダウン(システム終了)します。(中略)
バッテリーの充電残量が少ない、化学的経年劣化が進んでいる、周囲温度が低いといった状況下では突然のシャットダウンが起きる可能性が高くなるため、iPhoneを継続して使えるよう、iOSがパフォーマンスの循環的なピークをダイナミックに管理し、突然のシャットダウンを防ぐようになっているとAppleは説明しています。ただしこのパフォーマンス管理機能はiPhone固有のもので、ほかのApple製品には適用されていないとのことです。
iOS11.3ではパフォーマンス管理機能が改善
iOS11.3ではこのパフォーマンス管理機能が改善され、より状況に即したパフォーマンス管理が可能となります。
ただしiPhone 8、iPhone 8 Plus、iPhone X の各モデルは、ハードウェア面でもソフトウェア面でもより進化した設計を採用、必要とされる電力とバッテリーの給電性能の双方をより正確に見積もり、すでに突然のシャットダウンをより正確に予測、回避できるため、「iPhone 8、iPhone 8 Plus、iPhone Xのほうがパフォーマンス管理の影響が目立ちにくい」かもしれない、とのことです。
iOS11.3で追加される、バッテリーの状態を表示し、バッテリーの交換が必要な場合はそれを推奨する新機能(対象はiPhone6以降)やパフォーマンス管理機能については、Appleのサポート文書で詳しく説明されていますので、ご参照ください。