MMD研究所は3月12日、「2018年3月格安SIMサービスの利用動向調査」の結果を発表しました。「格安SIM」の利用者が10.1%となり、同社の調査開始以来初めて10%を超えました。「格安SIM」をiPhoneに挿して使うユーザーには「mineo」が一番人気でした。
格安SIMのメイン利用者、初の10%超え
調査は15歳〜69歳の男女を対象に、2018年2月16日から22日にかけてインターネットで実施され、44,541人から有効回答を得ています。
メインで利用している携帯電話・スマートフォンの通信事業者は、「NTTドコモ」「au」「ソフトバンク」の大手3社合計が82.6%で、2017年3月の調査と比べて3.1ポイント減少しています。
いわゆる格安SIMである「MVNO」は10.1%で、2017年3月の7.4%から2.7ポイント伸び、2014年10月から実施している調査開始以来、初めて10%を超えました。
「格安SIM」の認知度は89.8%
「格安SIM」の認知・理解の状況を調査したところ、「聞いたことはあるが内容は知らない」が30.5%でトップ、「だいたい分かるが、利用は検討していない」が23.3%、「利用している(サブ利用含む)」が15.1%でした。
認知から内容を理解し、利用を検討して利用に至るプロセスを示す「ファネル分析」では、認知率は89.8%、サービス名認知は59.3%、内容理解は47.7%となりました。
メイン利用トップは楽天モバイル、トップ3は前年と同じ顔ぶれ
格安SIMを利用している人に、メインで利用しているサービスを聞いたところ、トップは「楽天モバイル」で22.2%、以下「mineo」14.3%、「OCNモバイルONE」9.7%などと続きました。
このトップ3の順位は、2017年3月と同じですが、4位以下では「FREETEL」が楽天に買収されるなどの変化が起きています。
音声通話プランが65.3%、前年比8.8ポイント増
格安SIMサービスの契約プランは、「音声通話+データ」が65.3%、「データ専用」が34.7%でした。2017年3月と比較すると、音声通話が利用可能なプランが8.8ポイント増加しています。
この変化は、かつては「上級者向け」の印象が強かった格安SIMの利用者が増え、一般的なスマートフォンとしての使うユーザーが増えたため、と考えられそうです。
音声プランでは楽天モバイル、データ専用ではOCNがトップ
契約しているプラン別に、利用している格安SIMサービスを見ると、音声通話+データプランの利用者では、「楽天モバイル」が27.3%でトップ、以下「mineo」16.8%、「UQ mobile」10.5%などと続きました。
2017年3月に5位だった「UQ mobile」が3位へと順位を上げています。
データ専用プランの契約者では、「OCNモバイルONE」が14.9%でトップ、以下「楽天モバイル」12.8%、「mineo」9.4%となっています。
こちらは、トップ3に変動はありませんが、2017年3月に4位だった「mineo」が3位に上がり、「IIJmio」が3位から5位へと順位を下げています。
「格安SIMでiPhone」ユーザーに一番人気は「mineo」
格安SIMサービス利用者を対象に、格安SIMを挿して使っている機器を尋ねたところ、「スマートフォン(Android)」が54.5%、「スマートフォン(iPhone)」が32.8%でした。
2017年3月の調査と比べると、iPhoneユーザーが7.9ポイント増加しています。
格安SIMを挿しているデバイス別に、利用している格安SIMサービスを見ると、Androidスマートフォンでは「楽天モバイル」「mineo」「OCNモバイルONE」の順で人気が高いのに対し、iPhoneでは「mineo」「楽天モバイル」「UQ mobile」と、傾向に違いが見られます。
格安SIM10サービスの通信速度比較調査も
MMD研究所は先日、利用者の多い格安SIM主要10サービスについて、3大都市で実施した通信速度調査の結果を発表しています。
回線が混雑する昼休みの時間帯でも通信速度が安定していたのは、ワイモバイルとUQ mobileでした。
Source:MMD研究所
(hato)