今秋の発売が見込まれる「iPhone X Plus」の価格が1,200ドル(約13.6万円)を超える、との予測が報じられています。また、各社のハイエンドスマートフォンの価格は今後も上昇を続けると予測されています。
「iPhone Xの販売は低迷」との予測裏切ったApple
Appleが昨年9月、iPhone Xの価格を999ドル(日本では112,800円)からと発表した際、その価格の高さのために「iPhone Xの販売は低迷するのではないか」との予測が飛び交いました。
しかしAppleは先日の業績発表で、iPhoneシリーズの販売数は前年同期比で1%の微増ながら、iPhone Xの販売好調により売上高が20%と大きく伸びたことを発表し、「高価すぎる」と批判されたiPhone Xが人々に受け入れられたことが示されました。
iPhone Xの販売好調を受けて、各メーカーがハイエンドスマートフォンの価格を引き上げる動きが続く、とする複数のアナリストによる予測を米メディアCNETが伝えています。
「iPhone X Plus」の価格は1200ドル、日本では13.6万円!?
「iPhone X Plusは、1,200ドルになる」と調査会社CCS Insightのアナリスト、ベン・ウッド氏は予測しつつ、「もっと高価でも売れるだろう」と付け加えています。
「iPhone X Plus」の価格発表後に人々が見せる反応についてウッド氏は、以下のように予想しています。
すぐにソーシャルメディアで「馬鹿げている!」と大騒ぎになるでしょうが、騒ぎは静まって、皆がそれを買うことになるでしょう。
iPhone Xのアメリカでの販売価格999ドルと、日本での販売価格112,800円を比較すると、1ドル=約113円のレートで価格設定されている計算です。このレートから、アメリカで「iPhone X Plus」が1,200ドルで売られるなら、日本では約136,000円で販売されると推測されます。
仮に、アメリカでの販売価格が1,299ドルになれば、13インチMacBook ProのTouch Bar非搭載モデル(日本での販売価格は142,800円)と並びます。
各メーカーが価格引き上げに動く
最新鋭のフラッグシップスマートフォンにより高い価格をつけているのはAppleだけではありません。
CNETのまとめによると、フラッグシップモデルの価格を2016年モデルと現行最新モデルで比較すると、SamsungやLGは15%程度、OnePlusは32.6%も価格を引き上げています。
この動きは、iPhone Xの成功を見た各メーカーが、ハイエンドモデルの価格引き上げに踏み切ったためと考えられます。
買い替え周期長期化の中、旗艦モデルの高価格化は続く
フラッグシップモデルの価格が上昇する原因のひとつは、スマートフォンの普及が落ち着き、ユーザーの買い替えサイクルも3年程度へと長期化する市場環境の中、メーカーが人々の注目を集める最新モデルのために採用する、新機能や新素材、研究開発費といったコストが増大しているという事情もあります。
例えば、高精細な3D顔認証を実現するiPhone XのTrueDepthカメラには、最新鋭の技術が詰め込まれていますし、有機EL(OLED)ディスプレイや強度の高いガラス、特別開発の金属製フレームなども、コストを引き上げる要因となります。
そのため、各メーカーのフラッグシップモデルの価格は今後も上昇を続けるのではないか、と予測されています。
その一方で、スマートフォンに1,000ドルは払わない、と考える層から、販売価格200ドル台(2〜3万円)のミッドレンジモデルも人気を集め続けると考えられます。
Source:CNET
Photo:Martin Hajek
(hato)