Appleは実用化の可否を問わず日常的に多数の特許を取得しており、その一つ一つを論じて未来の製品を予想することにあまり意味はないのですが、中には興味深い特許もあります。その一つがiPhone11シリーズから搭載された超広帯域通信を用いた車のロック解除に関する特許です。
iPhoneが車の鍵に
Appleは以前からiPhoneやApple Watchを車の鍵にするアイディアを持っていました。すでにこれに関する業界団体にも加入しており、iPhoneの操作で車のロックを解除できるようになるのは時間の問題と予想されています。この動きに関連してか、Appleは先日、超広帯域通信やBluetooth通信を用いたキーレスエントリーについての特許を申請しています。
超広帯域通信を使うことでユーザーの位置情報が数センチ〜十センチ単位で把握できるため、車のどの部分に近付いたかまでわかるようになります。そのためトランク部分に近付いた時にはトランクの鍵を解除し、また登録されたiPhoneをポケットに入れて運転席に座り、ブレーキペダルを踏めばエンジン始動というような使い分けができるようになります。
さらにBluetooth通信を使えば、AirDropと同じ原理でユーザーの識別が可能であり、Apple Watchをつけた子供が車に接近すればロックは解除されてもエンジンは始動できないなどの挙動も可能になりそうです。
製品化に結びつくか
前述のようにAppleは常日頃から多数の特許を取得しており、そのアイディがそのまますぐに製品化されることは多くありません。今回の特許も可能性の一つと考えておくべきでしょう。しかし超広帯域通信の新たな使い方として自動車のキーレスエントリーは非常に有効に使えそうで、Appleが進める自動運転車の開発とも関連して注目されています。
すぐに自動運転車への応用ができなくても、自動車メーカーと共同でCarPlayの機能の一つに加えることは可能かもしれません。どのような形で世間に出てくるかは現時点では不明ですが、近い将来の製品化に期待したいと思います。
Source:AppleInsider
(KAZ)