着々と開発が進むAppleの自動運転車「Apple Car」では、運転席に座った際に生じる“死角”の対策が講じられる可能性があります。
死角を映像で補完
米国特許商標庁(USPTO)が新たに公開したAppleの特許は、「乗り物におけるサイドミラーの機能性を改善するシステム」と名付けられています。名前から分かるように、この特許では、運転席に座るドライバーの目から見えない位置(死角)を、車のサイドウインドウやフロントガラスに映像として表示する仕組みが説明されています。
一般的に、サイドミラーは車両の斜め後ろを映すことには役立つ一方、斜め横を確認することには適していません。そのため、後続車両に気づかず車線変更することで起きる事故が、毎日のように世界各地で発生しています。
この死角部分を映像として表示することで、事故が起きるのを防ごうとするのがAppleの特許です。先日、14歳の少女が発明して話題を集めた、サイドウインドウとフロントガラスの間にある柱(Aピラー)が作る死角を映像で補完する仕組み(※下記動画参照)にアイデアは似ていますが、Appleの特許は2016年に申請されています。
難航するApple Car開発
Appleの自動運転車開発プロジェクトは「Project Titan」として、何年も前から推し進められています。
何度も紆余曲折があったほか、最近は乗用車ではなく電気商用バンになるのではないか、との見方も出ていますが、いずれにせよAppleの社運を大きく左右する一大プロジェクトであることには変わりないでしょう。
今回の特許がApple Carに実装されるとは限りませんが、このアイデアが痛ましい事故を防ぐための一助となるのは確かです。
Source:Patently Apple,Digital Trends,JAF
Photo:Motor Trend
(kihachi)