中国でアップルが27日、Siriの特許問題に関して勝訴したことが明らかとなりました。中国現地でアメリカ企業が勝訴すること、それも公的機関を相手どった裁判で勝訴することは珍しいだけに注目が集まっています。
泥沼化した法廷闘争
アップルを訴えたのは、Shanghai Zhizhen Network Technology(上海智臻網絡科技有限公司:以下、Zhizhen)という企業です。Zhizhenの訴えによれば、iPhoneシリーズに搭載されているSiriは、2004年に同社が開発し、China Telecomを始めとした中国の大手通信企業に広く使われている、”Xiao i Robot”をコピーしたものだということでした。
2012年6月にZhizhenは、上海第1中級人民法院(地方裁判所)に提訴し、Xiao iの特許侵害を辞めるようアップルに求めました。当然アップルは、Siriのサーバーがアメリカにあるために中国の法律が適用されないことや、SiriはXiao iと似ても似つかないなどと反論しました。
しかし、数年経っても審理は完了せず、業を煮やしたアップルは中国国家知的財産権局特許再審委員会に対し、Zhizhenの特許無効を申し立てましたが、特許は有効であると判断されたため、今度は矛先を変えて、知的財産権局を北京市第一中級人民法院で提訴するも、あえなく敗訴したという複雑な経緯があります。
アップルはこれを不服とし、今度は高等裁判所である北京高級人民法院に上訴、そして今回、高級人民法院は1審の判決を覆してアップルの主張を認め、中国特許庁にZhizhenの特許が有効であるかどうか再調査するよう命じました。
Zhizhenとの闘いはこれから
日本で報道されているニュースを見ると、まるでZhizhenの特許が無効であるという判決を受けたかのような印象を受けますが、今回の訴訟相手は知的財産権局であり、Zhizhenとアップルの訴訟自体は2012年から未だに審理中のままです。
とはいえ、中国の裁判所において、アメリカ企業の申し立てが認められるのは珍しいことであり、今回の判決は、中国の司法システムを考えるうえで画期的なケースとなりそうです。しかし画像をみた限りでは、中国当局やZhizhen側の言い分も分かるほどに似ていますね。
参照元:Merket Watch、新華網、Huffigton Post、http://iphone-mania.jp/news-70047/
執 筆:kihachi