近年、スマートフォン分離不安障害という症状の認知が広まりつつあります。自己の延長としてスマートフォンを位置づけてしまうため、手元に置いておかないと、どうしようもなく不安に駆られてしまうというものです。
児童を中心にみられる症状だったが
これまでにも、分離不安障害(Separation Anxiety Disorder:SAD)という症状は確認されてきましたが、主に児童が親と離れる際に強烈な不安を感じるといった状況を指し示すものでした。
しかし、ミズーリ大学が行ったiPhoneユーザーを対象とした調査によれば、iPhoneが手元にない状況に置かれると、調査協力者は、分離不安障害の症状と同じように、精神的な不安を感じたり、認知パフォーマンスの低下を見せたとのことです。
携帯はユーザー自身の表現型
精神科医であるMichelle Clark氏は、「携帯はユーザー自身の表現型であり、自己の一部のように感じられるため、無くなってしまうと寂しさを感じる」と分析します。
同氏によれば、人の適応スピードより速く、テクノロジーが進化してしまっているためにこのような症状が起きるとのことです。「自分たちで精神を安定させるような術を我々は失ってしまっている。たとえ僅かな時間でも携帯に手を伸ばし、誰かと交流しようとしたがる」
こういった傾向はスマートフォン分離不安障害と呼ばれ、場合によっては、高レベルの機能障害を引き起こす危険性も指摘されているとのことです。
ただしClark氏は、こういった症状について、まだ学術的な認知がされているとは言い難い状況だ、と述べます。スマートフォン依存症についてはこれまでお伝えしてきた通りですが、タバコやアルコールと同じように、メリットやデメリットが広く認知されるようになれば、我々のスマートフォンとの付き合い方も今後変わっていくかも知れませんね。
参照元:13newsnow.com