アップルが今秋スタート予定とされるWebテレビサービスについて、ローカルテレビ局の番組を組み込むため現在交渉中であると、米Re/Codeが伝えています。
競合他社との差別化が狙いか
アップルが今秋にもWebテレビサービスを開始するというニュースを3月にお伝えしましたが、ローカル局の番組もあわせて提供するため、現在各地方局と交渉を進めているようです。実現すれば、SonyやDishなど、ローカル番組をまったく提供していない、あるいはごく限られた番組しか放送していない他社との、差別化が可能となります。
米国の場合、ABC、NBC、CBS、FOXといった全国放送局(ネットワーク)があり、ネットワークが直接所有する「直営局」と、それ以外の企業が保有する「加盟局」があります。ところが加盟局が加盟先のネットワークを切り替えたり、同じ地域の放送局を同じ会社が複数所有する場合もあるため、アップルのローカルテレビ局との交渉は難航しているようです。
複雑なシステムと権利関係
ローカル番組とコマーシャルの権利を得るのにも、時間がかかります。たとえばABCは、同社のiOSアプリ「Watch ABC」で生放送を視聴できるようにするまでに、2年かかりました。しかも視聴可能地域は現在も8都市に限定されています。
つまり、アップルが本当にローカル番組を自社のWebテレビサービスで放送したいのであれば、今秋の放送開始は難しいということになります。またアップルは地方局どころか、どの局とも契約を締結していないと考える業界関係者もいます。一方でアップルがいずれWebテレビサービスを開始するのは間違いなく、問題は技術ではなく、お金だろうという意見もあります。
6月の世界開発者会議(WWDC)で、次期Apple TVや新しいWebテレビサービス関連の発表があるのかどうかが、気になるところです。
Source : Re/Code、http://iphone-mania.jp/news-72659/