Apple Watchの分解レポートは発売後直ぐに公開されており、採用されているパーツやコンポーネントの概要が判明しております。以前の記事でIHS Technologyの分析も紹介しておりますが、UBS証券もApple Watchに採用されている部品類から、アップルが発注しているサプライヤーと概算の発注金額を試算しています。
UBSもApple Watchの原価を試算
今回、UBSはApple Watchの42mm ステンレススチールケースとホワイトスポーツバンドのモデルについて分析を行っています。
Apple Watchの製造原価は約16,300円
UBSの試算では製造コスト合計で133.9ドル(約16,300円)、最もコストが掛かっているのがS1チップと呼ばれるSystem-in-Packageで41.3ドル(約5,000円)、続いてステンレスケースが37ドル(約4,500円)でした。また、OLEDディスプレイが15ドル(約1,800円)、Digital Crownが10ドル(約1,200円)、タッチモジュールが4.8ドル(約600円)と試算しています。
Apple Watchの原価率は22%
以前お伝えしたIHS Technologyの分析では、Apple Watch Sportの製造原価率が約24%と試算されていますが、今回のUBSの分析ではApple Watchの製造原価率は約22%となります。
S1チップは600〜800万ユニット出荷
Apple Watchに搭載されているS1チップは、台湾のAdvanced Semiconductor Engineering(ASE)の中国の関連会社である、Universal Scientific Industrialが組み立て供給しています。ASEは「2015年の第2四半期では総売上の9〜12%の増収が見込める」と述べており、UBSのアナリストNicolas Gaudois氏らは600〜800万ユニット出荷することになるだろうと試算しています。
ハプティックモーターは日本電産ほか2社で供給
Apple Watchに新たに搭載されたTaptic Engineに採用されている、ハプティックモーターはAAC Technologiesと日本電産(Nidec)の2社が供給しています。AAC Technologiesでは一時品質に問題があったようですが、「Apple Watchをリコールする必要があるほど重要な問題ではなく、AACはアップルと連携し問題に対応している」とUBSはコメントしています。
Apple Watchに採用されているディスプレイはLG Displayが独占的に供給しており、TPKは同じくタッチセンサーとラミネーションサービスを独占的に供給しています。なお、UBSは本体ケースをどのサプライヤーが供給しているかは不明としています。
Source : Baron’s Asia、http://iphone-mania.jp/news-72735/
Photo : Business Wire