iOS9では、広告だらけのウェブサイトを閲覧しなくとも済みそうです。デベロッパー向けに提供されたiOS9のSafariを調べたところ、強力なアド・ブロック機能が搭載されていることが判明しました。広告から大きく収益を上げるグーグルにとって、今回のアップデートが痛手となることは明白で、独自のプラットフォーム「iAd」に誘致しようとするアップルの戦略が伺えます。
ユーザーにとっては朗報だが
調査を行ったNiemanLabによれば、新しいSafariでは、アプリストアからアドオンをインストールするだけで、広告のみならず、クッキーや、画像、リソース、ポップアップ、不快なコンテンツなどあらゆるものをブロックしてしまうことが可能となるそうです。
単純なバナー広告ならまだしも、ラグタイムで現れるものや、ブラウザ全体を覆ってしまうものなど、次第に巧妙化する広告の手口に悩まされてきたユーザーにとっては、朗報このうえありません。一方で、このアップデートを好ましくないと考えているのがグーグルです。
窮地に立たされたグーグル
広告がメインの収入源であるグーグルは、モバイル広告収入のうち75%がiPhone経由だと言われています。今回Safariに搭載されたアド・ブロック機能で、iPhoneやiPadからの収入が大幅に削がれることは間違いなく、さらにデフォルトの検索エンジンすらグーグルでなくなるとあっては、窮地に立たされることはほぼ間違いない状況です。
こういった一連の動きから、アップルが自分たちの広告プラットフォームであるiAdに、広告業者を誘致しようと考えていることが分かります。現時点で、どの程度まで広告が禁止されるのかは定かでありませんが、原理的にはiAdを経由したもの以外は全てシャットアウトしてしまうことも可能です。
また、このようなアップルの思い切った囲い込みは、アド・ブロック業者すらおののいており、FireFoxのアドオン「AdBlockPlus」で知られるAdBlockは、「アップルはモバイル版とデスクトップ版のSafariの両方で、これまでのコンテンツ・ブロックのあり方を変えてしまうような、全く独自のメカニズムを用いることになる」と述べています。
Source:BGR,Apple、http://iphone-mania.jp/news-74625/
(kihachi)