サプライチェーンの情報によりますと、アップルのチップサプライヤーである台湾のTSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)が、iPhoneのカメラなどに搭載されているCMOSセンサー市場に参入する模様です。
2社と提携し製造を受託
TSMCはエントリーおよびミッドレンジ向けには中国を拠点とするGalaxyCoreと、またハイエンド向きには、米国を拠点とするInVisage Technologiesと独占的なパートナーシップ契約を結んだ模様です。また、それぞれからCMOSセンサーの製造委託を受け、新たにCMOSセンサー市場に参入するようだとサプライチェーンの関係者が明らかにしています。
ハイエンドCMOSはソニーとサムスンに集中
世界のCMOSセンサー市場は、ソニー、サムスン、SKハイニックス、東芝の4社が占めており、それぞれが設計から製造販売まで一貫して行っています。またソニーとサムスンがキーテクノロジーを押さえており、ミッドレンジからハイエンドの市場向けの製造を行っています。
これまでTSMCのような半導体集積回路の生産を専門的に請け負うファウンダリーサービス会社は、CMOSセンサー市場、特にミッドレンジからハイエンド製品への参入を検討してきましたが、実現していませんでした。
アップル、ソニーとTSMCに分割発注か?
今回の報道では、TSMCはInVisageから独占的に製造委託を受注することにより、CMOSセンサー市場へ参入を可能にするだけでなく、従来ソニーのクライアントだった企業からの受注も見込める模様だと報じられています。
もちろん、アップルはソニーのイメージセンサーのクライアントですが、2015年の第3四半期からは、TSMCもイメージセンサーのサプライヤーの選択肢に加わることになりそうです。
ソニーはiPhoneの好調な売上げを受けて、iPhone向けに提供しているCMOSセンサーの国内工場に今年2月には約1,046億円、4月には450億円を投資し、製造ラインを増強すると報じられていました。TSMCの参入がソニーに大きな影響を与えなければ良いのですが。
Source : Patently Apple、http://iphone-mania.jp/news-75135/
(リンゴバックス)