顔認識技術は近年急速に進化し、セキュリティ目的以外にも、私たちに身近なSNSなどに急激に普及しましたが、暗いところでは動作しない弱点がありました。ドイツの研究者が、暗闇でも利用可能な顔認識技術を開発して話題となっています。
急激に身近になった顔認識技術、暗闇が弱点
急速に拡大した顔認識技術は、スマートフォンと連動するホームカメラなどに採用されているほか、SNSでは友人が自動でタグづけされるなど、私たちの身近に普及しています。時として大きなミスもありますが、認識精度はかなりの高さに達しています。
Appleも顔認識によるロック解除技術の特許を取得しており、将来のiPhoneには「自撮り」でロック解除できる機能が搭載される可能性もあります。
顔認識の大前提として、顔が明るく写った画像の比較が不可欠でしたが、ドイツのカールスルーエ工科大学の研究グループが、暗闇でも使える顔認識技術を発表しました。
赤外線カメラで瞬時に顔認識
暗闇での顔認識には、iPhoneの周辺機器としても発売されている、熱を検知する赤外線サーマルカメラを使って撮影した画像と、明るい環境下で撮影した数十枚の画像を比較する、新開発のシステムを利用します。
システムは、人間の脳の動きを模して設計されており、サーマルカメラの画像と可視光線下で撮った写真4,585枚を、わずか0.035秒で解析できたとのことです。
被写体の体温の変化による影響など、今後の研究で精度を高める余地が残っているようですが、テロ対策に神経をとがらせる保安当局などが強い関心を示すのは間違いなさそうです。
研究論文(英語)が公開されているので、関心のある方は読んでみてください。
Source:BGR、http://iphone-mania.jp/news-79068/
(hato)