自民党の税制調査会は来年度から海外からの音楽や電子書籍の配信にも日本の消費税を課税する方針を固めたとNHKが報じています。これまでAppleやAmazonなどが配信しているコンテンツには消費税が課税されていませんでしたが、この改正が反映されれば来年10月から実質的な値上げになる可能性があります。
国内企業の不公平感を解消
現在は海外の配信企業には消費税が課税されない制度であるため、国内企業との価格競争で優位に立つことが可能でした。またAmazonもAppleも国内シェアの高い企業が消費税の課税を逃れていることで、国内配信企業の不満は高かったようです。
大手書店の紀伊国屋もこの問題を常に指摘していました。同社も電子書籍のネット配信をしているのですが、知名度で劣るだけでなく、税制上の不平等で価格面でもAmazonに勝てないとして不満をもらしていました。やはり8%(将来的には10%)の差は非常に大きいです。(海外ネット配信への消費税問題 27年度改正で内外格差の是正を)
改正は消費者にはマイナス、軽減税率に期待
国内企業にとっては価格面での不利を解消できるメリットがあり、政府は税収増加(大和証券の試算では250億円)というメリットがあります。そのためすんなりこの改正は実施されるのではないでしょうか。しかし消費者にとっては値上げでしかなく、デメリットしかありません。
そこで期待されるのが軽減税率です。先日の選挙でも少し話題になりましたが、消費税が10%に引き上げるのをきっかけに軽減税率を導入するという議論があります。
ヨーロッパの複数の国では書籍、雑誌、新聞が通常の消費税率の半分から十分の一程度まで軽減されています。日本がIT先進国と自負するなら、この書籍の軽減税率を是非電子書籍にまで広げてもらいたいところです。ただ、それでもiPhone、iPadアプリや音楽、ゲームは軽減税率の対象になりにくく、値上げは避けられないでしょう。
参照元: NHK、財務省, http://iphone-mania.jp/news-56202/
執 筆: KAZ