総務省は22日、携帯電話の「SIMロック」解除を2015年5月から義務化することを正式決定しました。iPhoneなどの端末購入後、格安SIMを含めてキャリアの乗り換えが簡単になり、海外で現地SIMが利用可能となるなどメリットもある一方、課題も残されています。
総務省、2015年5月以降のSIMロック解除を義務付け
総務省は22日、2015年5月以降の新機種から、「SIMロック」解除を通信事業者に義務づけることを正式決定しました。今までだと、例えばドコモで契約したiPhoneをそのままソフトバンクで使いたい、という場合はキャリアとの契約に加えて端末も購入する必要がありましたが、SIMロックが解除されればその必要はなくなります。
各キャリアは、ユーザーが求めた場合、原則として無料でロックを外さなくてはならなくなります。
SIMロック解除には課題と注意点も
iPhoneの場合、従来どおりの発売スケジュールなら次モデルとなるiPhone6sあるいはiPhone7では、当初からキャリアでSIMフリーモデルを購入できることとなります。
一方、SIMロック解除はメリットばかりではなく、課題や注意点も残されています。
朝日新聞の報道によると、KDDI(au)はドコモ、ソフトバンクと3G回線の通信方式が異なるため、現時点ではauで契約した端末を他社で利用することができません。
また、各キャリアに最適化された端末を他社でも問題なく利用できるという確認や保証ができないという問題もあるようです。
ユーザーとしては、「2年縛り」と呼ばれる一定期間の契約を前提として端末価格を安く入手できていましたが、他社への移動が見込まれるユーザーには端末価格の割引が適用されなくなることが見込まれ、購入価格が上昇すると考えられます。
SIMロック解除義務化でiPhoneが盗まれやすくなる?
さらに、SIMロックフリーの端末が一般化すると、iPhoneなどの端末が盗難にあいやすくなるリスクが高まる可能性もあります。現在は特定キャリアでしか利用できない端末が、国内他キャリアはもとより海外でも利用可能となれば、転売することを目的とした犯罪グループの標的になる可能性もあります。
特に世界的に人気の高いiPhoneのユーザーは、盗難・紛失時の対策アプリなどでの自衛が求められるでしょう。
アメリカではアクティベーションロックでiPhoneの盗難が劇的に減った効果もありますので、自身のiPhoneにアクティベーションロックが正しく設定されているか確認し、万が一の盗難・紛失時の対処方法も確認することも必要です。
参照元:朝日新聞、http://iphone-mania.jp/news-56706/
執 筆:hato