2014年は、アップルにとって大きなニュースの多い一年でした。海外メディアCult of Macが、今年を振り返ってアップル12の重大ニュースを発表しました。
1:アップルの株式分割
6月、アップルは株式を1:7に分割しました。これにより株式総数が126億株と大幅に増加し、総額は900億ドル(現在のレートで約10兆円)ました。株価は順調に上昇を続け、11月14日には時価総額でロシアの全上場企業を上回り、11月28日には最高値の118.93ドル(約14,270円)を記録しています。
2:アップルによるBeats買収
5月、アップルはBeats Music とBeats Electronicsを 30億ドル(約3,600億円)というアップル史上最大の規模で買収しました。若者に人気のブランドを手中にしたことにより、アップルは「クール」なイメージ獲得に成功したとも言われます。
この買収後、音楽コンテンツ販売の不振が課題となっているiTunesにBeats Musicを統合してストリーミング配信に進出するのでは、との報道もありましたが、現時点では実現に至っていません。
iOS8 とMac OS X Yosemite
6月のWWDCで、アップルはiOSデバイス向けiOS8と、Mac用OS X Yosemiteを発表しました。
iPhoneやiPadのiOSとMacのYosemiteが連携して操作可能となる「コンティニュイティ」が実現したほか、iOS8では健康管理の「HealthKit」、スマートホーム進出の足掛かりとなる「HomeKit」といった開発環境を提供しました。
4:IBMとの連携による企業部門強化
7月、アップルとIBMというIT業界の巨大企業どうしが業務提携を発表しました。企業向け市場に強いアップルと、使い勝手に定評のあるアップル製品の組み合わせによる相乗効果が期待されています。
12月には、両社の提携の初の成果と言える企業向けiOSアプリ「IBM MobileFirst for iOS」の提供が開始されました。
5:iCloudハッキング事件
9月初旬、iCloudがハッキング被害に遭い、ハリウッドセレブのヌード画像が流出する騒動となりました。この事態に対し、アップルは積極的に調査し、セキュリティ対策強化の対応を取りました。
6:iPhone6/6 Plusと「iPhone6が曲がる」問題
9月に発表・発売されたiPhone6/6 Plusは大型化し、薄くなったことで「曲がる」との噂が駆け巡り、わざわざ手でiPhone6 Plusを折り曲げた動画まで公開されました。
この問題に対し、アメリカの消費者団体専門誌「コンシューマー・レポート」は、独自の実験結果を公表し「通常の利用において折れ曲がることはない」と発表しました。
7:Apple Watchのデビュー
長らく噂のあったアップルのウェアラブルデバイスが「Apple Watch」として9月に発表されました。発表イベントにはファッション業界のプレスも多く招かれたことも話題となりました。
2015年前半の発売と、349ドル(約42,000円)からという価格がアナウンスされていますが、上位モデルの価格や具体的な発売時期は明らかにされていません。
8:Apple Payの開始
10月にアメリカ国内で利用可能となったApple Payは、iPhone6/6 PlusのTouch IDとNFCを使ったモバイル決済で、実際に使ってみると非常に簡単で便利です。その簡単さゆえ、早くもモバイル決済市場の起爆剤としての存在感を示しており、日本で利用可能となる日が待たれます。
9:U2のアルバム無償配布問題
9月、アップルは人気ロックバンドU2のニューアルバムを5億人のユーザーに無償配布しました。強制的にダウンロードされることに反発するユーザーもおり、削除ツール公開などの混乱を招きました。
ビジネス面では約1億ドル(約120億円)の利益があったと言われたキャンペーンですが、アップルにとってはほろ苦い記憶となってしまいました。
10:iMacへのRetinaディスプレイ搭載
10月、アップルは5K(5120 x 2880ピクセル)の超高精細なRetinaディスプレイを搭載したiMacを発表しました。次はMacBook AirへのRetinaディスプレイ搭載が期待されています。
11:ティム・クックCEOがゲイであることを告白
10月末、ティム・クックCEOは自身がゲイであることを告白し、大きな話題を呼びました。噂レベルでは以前から言われていたことですが、本人が明かしたことの衝撃は大きいものがありました。
同性愛に対して批判的な地域でもビジネスを展開する巨大グローバル企業のトップが自身がゲイであることを「誇りに思う」と語ったことは、世界から大きな賞賛が寄せられました。この告白には、様々なリスクを想定の上での、アップル首脳陣の理解とサポートがあったことも語られています。
12:App Storeのアプリ登録拒否
App Storeは登録審査の基準が厳しいと言われていますが、その運用に不明確な部分があるとして不満を持つアプリ開発者も増えました。アプリ公開が取り下げられたアプリの中には、その理由が政治的なものでは?と勘ぐってしまうものもあります。
2015年もアップルが世界の注目を集め続けるか
いかがでしょうか?2014年は、アップル関連で大きなニュースが多かった一年でしたね。
このほか日本におけるiPhoneや周辺業界の動きは、3月の「MNPでiPhone5s一括ゼロ円と高額キャッシュバックの終了」や、「大手各社の新料金プラン」、安倍首相が選挙直前に街頭演説で語って話題となった「アップルが横浜に開発拠点」のほか、来年に向けて「SIMロック解除の義務化発表」などのニュースもありました。
2015年、Appleはどんなニュースで私たちをワクワクさせてくれるのでしょうか。
参照元:Cult of Mac
執 筆:hato