米メディアMacworldが、今年のAppleの10大ニュース(よくも悪くも)をまとめていますので、ご紹介します。まず5つのニュースからです。
新たな記録を打ち立てたiPhone売り上げ
Appleは2015年第4四半期(7月~9月)に4,800万台のiPhoneを販売、322億ドルの売り上げを計上し、ティム・クックCEOに「もっとも成功した年だった」といわしめました。同社の2015年度の収益は約2,340億ドルへと増大しています。
iPhone6s/6s Plusは発売最初の週末までの1,300万台が売れ、この年末商戦を含むAppleの2016年第1四半期(2015年10月~12月)のiPhone売り上げは、755億~775億ドル(9.25~9.5兆円)程度に達すると見込まれています。
新製品ラッシュ
今年発売されたのは、iPhone6s/6s Plusだけではありません。12インチモデルを含む新MacBook、iMac、iPad Pro、iPad mini、数年ぶりのアップデートとなった第4世代Apple TV、新カテゴリー参入を果たしたApple Watchも発売となりました。
またこれらアップデートされた新製品では、ハードウェアの面で大きな機能刷新が行われました。iPhone6s/6s Plusには3D Touchが搭載され、iPad mini4はiPad Air2並みに高性能化しました。またApple TVにはApp StoreとSiriが統合されています。
大幅に機能向上したApple TV
Appleは前回のアップデートから第4世代Apple TV発売までに3年間もの年月を費やし、大幅な機能改良を行いました。
11月に発売となった新型Apple TVは、直接App Storeへアクセス可能となり、リモコンはSiriでの操作が可能になりました。またゲーム機としての利用を考慮し、リモコンがゲームコントローラとしても使えるようになっています。
ただしApple TVはまだ完璧な製品とはいいがたく(最近のtvOS9.1のリリースでかなりマシになったものの)、今後もさらなるアップデートとtvOSアプリの充実が求められます。
結局得した?テイラー・スウィフトとのもめごとの顛末
Appleは今年また、Apple Musicという音楽配信サービス事業に乗り出しました。
Appleは当初、3カ月の無料トライアル期間中は、歌手や作詞・作曲家などにロイヤリティを支払わない予定でした。しかしポップ界のスターであるテイラー・スウィフトがこれに抗議、自身のアルバムをApple Musicで提供しないと主張したため、Apple側がスウィフトの主張どおり、無料期間中もロイヤリティを支払うことで決着しました。
こう書くとAppleが一方的に負けたようですが、実はまったく損していません。結局スウィフトは、自分の「1989」のアルバムを一番最初にApple Musicで配信することを認めたばかりか、ドキュメンタリー映画「1989 World Tour Live」を、Appleが独占的に配信する権利を与えたのです(もちろんAppleはかなりの金額をスウィフトに支払っています)。この騒動は、Apple、スウィフトの双方が得する結果に終わったという訳です。
Apple MusicとiCloudミュージックライブラリがらみのトラブル
AppleはApple Musicと同時に、iCloudミュージックライブラリの機能を導入しました。これはクラウドで動作するiTunesライブラリで、Apple Musicのメンバーシップを購読すると利用できる機能です。
iCloudミュージックライブラリをオンにすると、iTunes Storeで購入した音楽やCDなどの音源から取り込んだ音楽も追加されるのですが、この際にApple Musicの違う曲になったり、アートワークが変わってしまうというトラブルが発生しています。なかにはライブラリの曲が消えてしまうという、大変な障害が発生したケースも報告されています。
後編に続きます。
Source:Macworld
(lunatic)