3月にはアメリカ国外での利用が可能になると見込まれる好調のApple Payに対抗すべく、Googleは買収で応戦するようです。ただし、事業の展望には問題も多いようです。
好調のApple PayにGoogleは買収で応戦?
昨年秋にアメリカでサービスが開始されたApple Payは、開始直後から人気を集め、モバイル決済市場の起爆剤と期待されており、3月にはアメリカ国外への展開も見込まれるなど、好調が伝えられています。ライバルのGoogleは、買収戦略で既存サービスGoogle Walletを強化し、活性化するマーケット攻略に取り組むようです。
Googleが、モバイル決済サービスのSoftcardの買収交渉を進めているとTechCrunchが報じています。Softcardは、アメリカの大手携帯キャリアであるAT&T、Verizon、T-Mobileの3社の共同出資によりIsisという名前で2010年に設立されましたが、テロリスト集団と同名だったことから昨年秋に名称を変更しています。
格安な買収額が示す先行き不透明感
TechCrunchは、情報筋の話として買収額は1億ドル(約118億円)とした上で、設立当時に携帯キャリア3社が数百万ドルの莫大な資金を投入した企業にしては格安な買収額は、Softcardの事業運営の難しさの表れと言える、と伝えています。
Softcardは今月初めに60名の従業員を解雇して組織の効率化を進めていますが、社内の風通しの悪さもあって従業員の士気は下がっており、従業員の満足度が非常に高いAppleとは対照的で、決して良い状態とは言えないようです。
Googleによる買収が成立しなかった場合には、設立母体であるAT&TまたはVerizonが事業を継承する可能性もあるほか、PayPalやMicrosoftも関心を示している模様です。
Apple PayとSoftcard、通信方式は同じだが顧客情報の扱いに違い
Softcardは、Apple Payと同じNFC通信方式を採用していますが、サービス対象はAndroidとWindows Phoneのみで、iPhone6/6 PlusのNFCでは利用できません。
また、Apple Payの決済方式は、店舗側は顧客のカード情報などを取得しない一方、Softcardは店舗側にカード情報が残る方式をとるなどの違いがあります。
強烈なSoftcardのマスコット、タッピー
ついでに、2014年11月に公開されたSoftcardのマスコット、タッピー(Tappy)の動画をご紹介しておきます。キモかわいいというか、可愛らしい「ゆるキャラ」を見慣れた日本人の目には強烈すぎるインパクトを残すビジュアルではあります。
Apple Payのヒットにより、モバイル決済への注目が高まる中、Softcardの行方にも注目が集まりそうです。
参照元:TechCrunch、Apple Insider、http://iphone-mania.jp/news-59470/
執 筆:hato