スマートフォンでお馴染みのリチウムイオン電池の持ちを2倍にすることができる画期的な技術がネイチャー誌に発表されました。これまでスマートフォン最大のネックとされていたバッテリー問題を一気に解決できるのでは、と早くも世界中で期待が高まっています。
これまでリチウムイオン電池の導電部分にはバナジウムオキシドやリチウムホウ酸塩といった素材が使われていましたが、今回の研究ではバナジン酸塩とホウ酸塩とを組み合わせて作られるパウダーを、一気に900度まで熱して溶解させた後、ガラス型にして冷却する試みが行われました。
数年以内に製品へ組み込まれるか
この新素材を発見した、スイスのチューリッヒ工科大学のセミ―・アフロン博士とラインハルト・ネスパー博士は、「バナジン酸塩とホウ酸塩を組み合わせたガラスの大きな特徴の一つは、製造が簡単かつ安価に出来ることだ」と述べており、近いうちに工業的な活用がされることに対して意欲的です。
報道によれば、このパウダーに還元されたグラファイトオキシドを加えることで更に導電性能が高められているそうですが、専門外の人間にとってはどうもピンと来ません。しかし、昨年も類似素材のグラフェンオキシドがスマートフォンのバッテリーを25%増大させるという報道がなされましたし、近々更なるブレイクスルーがこの分野で起きることを願うばかりです。
ちなみに、グラフェンオキシドは導電性の高さと極薄に引き延ばせる特性から、電動膜として太陽電池やタッチパネルなどへ活かすことが既に試みられています。下記の動画は、ライス大学がグランフェンオキシドの耐久性の高さに着目し、タッチパネルに適用した研究報告です。
参照元:NDTV Gudgets、http://iphone-mania.jp/news-59541/
執 筆:kihachi