iPhone7の「ウリ」の1つは、バッテリーの駆動時間がiPhone史上もっとも長いことです。ところが、LTE通信状況下では少々事情が異なります。
iPhone7と言えば「史上最も長い駆動時間」
A10 Fusionチップを搭載し、iPhone6sより最大2時間長いとされるiPhone7ですが、スペシャルイベントにせよ、公式サイトにせよ「バッテリーの駆動時間がiPhone史上最も長くなった」という表現が繰り返されています。
例えば仕様ページにアクセスすると、電源とバッテリーの項目で真っ先に目に入るのは、「iPhone6sより最大2時間長いバッテリー駆動時間」という文字です。
iPhoneで最も長いバッテリー駆動時間。
A10 Fusionチップを搭載したので、今年からは次の充電までの時間にこれまで以上の余裕が生まれます。一世代前のモデルと比べた場合、その余裕はiPhone7で最長2時間、iPhone7 Plusで最長1時間です。
iPhone7は、スマートフォンに搭載されたものの中で最もパワフルなチップを持っています。だから、まるでターボチャージャーを積んだよう。iPhone 7は過去のどんなiPhoneよりも速いだけでなく、効率も向上しています。
その理由は、A10 Fusionチップの完全に新しいアーキテクチャが必要な時に一段と速い処理能力を発揮し、それ以外の時には電力をセーブできるようにするからです。バッテリーの駆動時間もiPhone史上最も長くなったので、iPhone6の2倍のスピードで作業をこなしながら、次の充電までの時間にさらなる余裕が生まれます。
すべてでiPhone史上最長ではない?
しかし、一部の状況下においては、iPhone7はiPhone SEよりも駆動時間が短いという事実はあまり知られていません。以下は公式スペックの比較です。
iPhone7 | iPhone SE | iPhone6s | |
---|---|---|---|
連続通話時間 | 3Gで最大14時間 | 3Gで最大14時間 | 3Gで最大14時間 |
インターネット利用 | 3Gで最大12時間 4G LTEで最大12時間 Wi-Fiで最大14時間 | 3Gで最大12時間 4G LTEで最大13時間 Wi-Fiで最大13時間 | 3Gで最大10時間 4G LTEで最大10時間 Wi-Fiで最大11時間 |
ビデオ再生 | 最大13時間 (ワイヤレス) | 最大13時間 | 最大11時間 |
オーディオ再生 | 最大40時間 (ワイヤレス) | 最大50時間 | 最大50時間 |
連続待受時間 | 最大10日間 | 最大10日間 | 最大10日間 |
グラフをみると、確かにiPhone6sに対しては殆どの項目で上回っていますが、iPhone SEに対してはWi-Fi通信以外で上回っている数値はありません。それどころか、LTE通信とオーディオ再生時においてはiPhone SEを下回っている状況です。
もちろんiPhone7は凄い端末!
iPhone7の名誉のために付記しておくと、もちろんこれまでのiPhoneとは比較にならないほどの性能を備えた、革新的なモデルであることは間違いありません。
一部の数値がiPhone SEに対して少ないことも、iPhone SEが4インチモデルと小型サイズであるのに加え、iPhone7が音楽再生はワイヤレスを想定していること、そして端末の性能がそれだけ高いからこそだとも考えられます。
しかし、必ずしもすべてにおいて「iPhone史上最長の駆動時間」というわけではないことは、iPhone7のみならずiPhone SEの購入を検討するうえでも、気に留めておく必要があるのではないでしょうか。
Source:MyDrivers,Apple
(kihachi)