KGI証券のアナリスト、ミンチー・クオ氏によれば、爆発事故が相次いだGalaxy Note 7の生産終了で得をしたのはAppleとHuaweiだそうです。
500〜700万人がiPhoneへ「転向」
ミンチー・クオ氏は、一連の爆発事件がなければ2016年に1,200〜1,400万台のGalaxy Note 7が売れていただろうとしたうえで、結果的にリコールや生産終了によって、そのうちの500〜700万人ほどのユーザーがiPhone(主にiPhone7 Plus)に流れたと予測します。同氏によれば、Galaxy Note 7からの「転向」ユーザーは以下の4パターンに分類できるのだとか。
- もうSamsungブランドを信用しない
- もともとはiOSユーザーだった
- デュアルカメラ機能に惹かれた
- キャリアの購入補助キャンペーンを好感した(iPhone7/7 Plusは9月もっとも強く販促されていた旗艦モデル)
もっともクオ氏は、3〜5週間ほどiPhone7の発注数増加に寄与しただけで、すでにiPhoneのGalaxy Note 7特需は天井を打ったとみています。
また、特需の恩恵を受けるベンダーとしてHuaweiの名も挙げ、同じAndroidであることから、中国やヨーロッパで同社の旗艦モデルMate 9を展開する後押しとなったのではないか、と述べています。
似たような指摘としては、Yahooのテクノロジーエディターであるダニエル・ハウリー氏も、「OSの異なるiPhoneより、同じAndroid端末を選ぶ確率のほうがはるかに高い」と語っています。
Samsungはまだ終わっちゃいない!
では、Galaxy Note 7でSamsungはもう終わってしまったのでしょうか。
ミンチー・クオ氏は、ブランドイメージの毀損は避けられないとしながらも、次期旗艦モデルであるGalaxy S8で同じ轍を踏まない限り、影響はそう長く続かないだろうと考えています。
最先端である10nmプロセス技術の自社製チップを搭載し、VR(仮想現実)にも十分対応するだけの高スペックを誇るモデルですが、同社が「品質のコントロールに甚大な努力を払ってくる」のは言うまでもありません。事実、これまで自前で行っていたバッテリー審査を、S8からは第三者機関に依頼するとみられています。
Source:MacRumors
(kihachi)