iPhoneやiPadに採用されているAシリーズチップをはじめ、多くのモバイル端末に搭載されているプロセッサーに利用されている、ARMアーキテクチャを提供するARMホールディングスは、次世代プロセッサーの新たな設計仕様を発表しました。発表された資料によりますと、プロセッサーの性能は現状と比較して3倍のパフォーマンスの向上が見込まれる模様です。
新設計は次期iPhone7で採用か
スマートフォンやタブレットを対象にした、新たなCortex-A72チップは、来年にはリリースされる予定で、iPhoneの場合、ちょうど次期iPhone7のタイミングとなります。
今回のCortex-A72チップは75%もの省電力を実現しつつ、現在のARMプロセッサーと同レベルの性能が維持でき、次期iPhoneのパフォーマンスの向上はもちろん、更なる薄型化が可能となります。
5年前のプロセッサーの50倍の性能向上
ARMのマーケティング担当バイスプレジデントのNandan Nayampally氏は、このプロセッサーの最も優れた点は、iPhoneの場合、Siriで使われている音声分析のような複雑なコンピューティング処理が、インターネットに接続されていない状態でも可能になることだと述べています。またA72チップを5年前のモバイルプロセッサーと比較した場合、約50倍もの性能向上が図られるとも述べています。
新たなA72チップの性能を十分に引き出すためにはTSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd)など、16nmプロセス技術の製造ラインを持つメーカーの協力が不可欠となります。
ARMはプロセッサーの仕様設計のみを担当
ARMはIntelのような自社でプロセッサーを製造するメーカーではなく、アップルのA8プロセッサーをはじめ、SamsungやQualcommといった企業が自社で開発するプロセッサーに、仕様設計をライセンスする役割を担っています。今回発表された新たなプロセッサーの設計デザインは、RockchopやMediatekなど既に10社にライセンスされています。
2016年にリリースされる見通しの次期iPhone7ではプロセッサーはA10となる模様ですが、アップルの新製品情報に詳しいKGI証券のレポートではTSMCが受注する可能性が高いと報じられています。またA10XプロセッサーはエントリーモデルのMacにも搭載されると予想されています。
参照元 : Cult of Mac、http://iphone-mania.jp/news-61476/
執 筆 : リンゴバックス