伝統的に、時計の文字盤の形状については、大きく分けて2つあります。1つはラウンド(丸)型のもの、他方はスクエア(四角)型のものです。
4月に米国などで出荷が開始されるApple Watchは文字盤の形状としてスクエア型が採用されていますが、その理由について、疑問に思った方もいるのではないでしょうか。今回は海外メディア『The New Yorker』が綴った、Apple Watchの文字盤形状に込められたデザイナーの意図をご紹介します。
Apple Watchが表示するデータ(情報)は四角いものである
『The New Yorker』の記事では、Appleのヘッドデザイナーで、同部門のヴァイスプレジデントを務めるジョナサン・アイヴ氏と、同社のクリエイティブ・ディレクターを務めるアラン・ダイ氏による、Apple Watchのデザインに関するやり取りが綴られています。
ダイ氏によれば、Apple Watchのデザイン決定にあたっては”重要な瞬間があった“そうです。それはまず”側面は可能な限り削ろう”というもので、ダイ氏とアイヴ氏は早い段階からこの共有事項を抱いていたとしています。これはソフトウェアとハードウェアの境界線を、可能な限りぼかすことが目的だったとしています。
なおかつ、Apple Watchで我々が今後表示するであろうデータ(写真など)は必ず四角いものだということにも注意を払ったとしています。仮にラウンド型の文字盤形状を採用してしまうと、端が見きれてしまうということに気付いた瞬間から、文字盤の形状はスクエア型に決定したそうです。
2つの考えをまとめた結果、Apple Watchの文字盤は現在の形となりました。今一度確認していただければ分かるかと思いますが、基本的には四角い形であるにも関わらず、エッジ部分は可能な限り丸みを帯びている、この形状はこうした初期設計段階から決まっていたことのようです。
非常に革新的な企業による伝統的な時計の再定義は、こうして完成されました。デザイナーの込めた意図が理解できるとさらにデバイスとしての魅力が高まりますね。日本での発売は秋ごろという噂ですが、早く手にとってみたいものです。
参照元:The New Yorker、http://iphone-mania.jp/news-62849/
執 筆:クロス