イスラエルの研究者チームが、他人がスマートフォンに触れた場合、それをわずか14秒で識別する方法を開発しました。
スクリーンに触れるパターンで本人かどうかを識別
これまでの研究から、スマートフォンにパスワードを設定していたとしても簡単に推測される場合が多く、保護システムとしては不十分であることが立証されています。
イスラエルのネゲヴ・ベングリオン大学の研究者らが、スマートフォンに触れるパターンを解析することによって、本人かどうかを認証する方法を開発したと発表しました。
触れ方の情報を収集
PayPalのデータ科学者であるリロン・ベン・キモン氏が率いる同大学の研究チームは、20人のユーザーに2週間スマホを使ってもらい、スクリーンのどこに触れるか、指のどの部分が触れているかなどのデータを収集しました。
こうした「触れ方(タッチ)」の情報は、アプリ別にも収集されました。というのは、アプリによってスクリーンへの触れ方が異なるためです。たとえばWhatsAppアプリでメッセージを入力する場合と、ブラウザをスクロールする場合では触れ方がかなり違います。
さらにユーザーが間違って触れてしまう場合も考慮し、ユーザー識別に際し1回1回のタッチではなく、複数回のタッチをグループ化するようにしました。
タッチ回数が35回以内に本人かどうかを識別
またベン・キモン氏らは、それぞれのタッチの履歴も記録しました。現在のタッチから遡ること30秒間に何をしていたか、という履歴です。具体的にいうと、スクリーンのどこに触れていたのか、どのボタンを押していたのか、その時の電気消費量はどのくらいだったかという詳細なデータをすべて収集しました。
こうしたさまざまなデータを集め、解析した結果、所有者以外の人間がスマホに触れた場合、14秒で識別することが可能になったとのことです。ベン・キモン氏らによると、一般的にスマホユーザーは13.8秒間に平均35回スクリーンに触れますが、誰かが35回スクリーンにタッチする前に判別できてしまうそうです。
研究者らは、犯罪者がスマホから情報を盗もうとする場合、間違いなく35回以上スクリーンに触れるため、確実に識別できるとしています。他人だとわかれば完全にロックをかけてしまえばいいので、大切な個人データを盗難から守ることができます。
同技術の商品化は現時点では未定ですが、採用される可能性は十分ありそうです。
Source:NoCamels
Photo:Pixabay
(lunatic)