アップルの共同創業者、故スティーブ・ジョブズ氏非公認の伝記「Becoming Steve Jobs」が、現地時間24日付けでアメリカで発売されました。現在すでにAmazonの「Rich & Famous Biographies(リッチ&有名人の伝記)」部門で売り上げ1位となっています。
技術系ジャーナリスト、ブレント・シュレンダー氏と雑誌「Fast Company」の編集長リック・テゼリ氏の共著である同書には、シュレンダー氏の個人的メモが多く含まれ、これらはジョブズ氏の生前には公開できなかったとされています。
クックCEOらがインタビューに協力
書籍の内容については、たとえばジョブズ氏が現アップルCEOのティム・クック氏から肝臓提供のオファーを受けていたものの断っていたという話など、すでにいくつかのエピソードが伝えられています。
また本書執筆に当たっては、クック氏を含むアップルの幹部数人がインタビューに応じています。クック氏はその理由として、シュレンダー氏がジョブズ氏と25年近くにもおよぶ長年の付き合いがあったこと(ジョブズ氏はシュレンダー氏を友人として紹介していた)を挙げています。
こうした事情もあり、クック氏ら生前のジョブズ氏に近しい人々は、ジョブズ氏非公認とはいえ、今回の新しい伝記を高く評価しています。たとえばアップルのソフトウェア・インターネット・サービス最高責任者のエディ・キュー氏はTwitterで「最良の人物描写、Becoming Steve Jobsがリリースされる。よくできているし、初めて正しく書かれた」とつぶやいています。またアップルのiBooksアカウントも「Becoming Steve Jobsは、彼をよく知る人々が推奨する唯一の本だ」とツイートしています。
アイザックソン氏著「Steve Jobs」を批判
関係者がここで暗に示しているのが、ジョブズ氏の死後まもなく2011年に発売された、ウォルター・アイザックソン氏による伝記「Steve Jobs」です。
クック氏は同書について、今回発売された新たな伝記のなかで「最悪の害を及ぼした。ここに書かれている誰かは、一度たりとも一緒に働きたいと思えない人物だ」と述べています。またインダストリアルデザイングループトップのジョニー・アイブ氏もアイザックソン氏著の伝記について、雑誌New Yorkerに対し「最低の評価しかできない」とし、全部読んでいないと語っています。
「Becoming Steve Jobs」の出版社であるCrown Publishing Groupは、当初の初版出版予定部数4万部から、8万5,000部へと引き上げたことを明らかにしています。
「Becoming Steve Jobs」はAmazon.comで19.83ドル(約2,370円)、キンドル版は11.99ドル(約1,440円)で販売されています。また日本語翻訳版は日本経済新聞出版社から出版されます。
参照元 : AppleInsider、New York Times、http://iphone-mania.jp/news-66701/
執 筆 : lunatic