2017年4月19日、Appleは環境責任に関するレポートを発表しました。レポートの中で、将来的にApple製品に使われる材料は、レアアースなどのリサイクル可能資源のみに移行していく予定だと述べられています。しかしその目標達成は、簡単なものではないようです。
方法がわかる前に目標を発表!?
Appleの環境・政策・ソーシャルイニシアチブ担当のリサ・ジャクソン副社長はVice誌のインタビューで次のように語っています。
Appleは天然資源をなるべく使わないような指針で製品を作っているが、それに向けた完璧なロードマップがあるわけではない。実際、どうすべきかが完璧にわかる前に目標を発表するという、めったにしないことをしている。
ただし一部の材料については、すでにリサイクル資源を調達する方法を見つけている模様です。
例えば、アルミニウムは古いApple製品をリサイクル、再資源化することで、高品質な部品を作ることができます。またスズについてはほかの多くのリサイクル品からも採取が可能です。
Appleは「Material Risk Profiles」(材料リスクプロファイル)を作成、さまざまなリソースを入手する際に、環境や社会にどの程度の影響を与えるかを評価しています。このプロファイルに照合することで、各材料について新たな天然資源の使用が必要かどうかを、総合的に判断できるようになったとしています。
iPhoneをリサイクルするロボット「Liam」
またAppleはリサイクル業界を改善し、より多くの材料を古い機器から採取するためのプロセス開発や政策変更を目指すとも述べています。その一例ともいえるのが、同社が2016年に導入した、iPhoneを分解・分別するリサイクルロボット「Liam」です。
Appleが今年2月21日に公開した報告書によれば、Liamはアメリカ・カリフォルニア州とオランダの工場で稼働しており、iPhone6であれば年間約120万台の分解が可能です。
Source:THE VERGE,Apple(YouTube)
Photo:Flickr-Simon Yeo
(kotobaya)