東芝が、3次元NAND(3D NAND)フラッシュメモリのサンプル出荷を開始した26日の翌日、インテルとマイクロン・テクノロジーも3D NANDフラッシュメモリを共同開発したと発表しました。
東芝、世界初の48段積層を実現
近い将来、容量10TBのSSDが入手可能になりそうです。東芝、そしてインテル・マイクロン陣営が、1つのダイの中でセルを垂直方向に重ねる積層構造を採用することで、より小スペースでの大容量化によるコスト削減、省電力、性能向上を実現する3D NANDフラッシュメモリの製造に乗り出しました。
東芝がサンプル出荷を開始したのは、セルを48段積層したNANDフラッシュメモリ「BiCS(Bit-Cost Scalable)」で、容量は128Gビットです。今年夏から年末にかけて少量生産を開始し、2016年上期からは本格的な量産体制に入る見通しです。
3D NANDは、現行の平面構造NANDに比べ、容量は同じでもチップ面積を小さくすることができます。また平面NANDでは製造プロセスの微細化によって面積あたりの容量を増やしてきましたが、積層化によって微細化技術のみに依存する必要がなくなります。
3D NAND技術についてはサムスンが先行しており、2013年8月に24段積層128Gビット容量品を世界で初めて製品化、2014年5月には32段積層128Gビット容量の3D NANDの量産を始めたと発表しています。
東芝は今回、サムスンの32段積層を上回る48段積層品を製品化、一歩リードする形となりました。
容量はライバルの3倍~インテル&マイクロン
そしてインテル・マイクロン陣営が発表したのが、フローティング・ゲート・セルによる32層積層のNANDフラッシュメモリです。最大の特徴が容量の大きさで、1チップで最大384Gビットと、競合するサムスンや東芝の3倍のメモリ容量を実現しています。
インテルによれば、板ガムサイズのSSDで3.5TB以上、標準的な2.5インチSSDで10TB以上のストレージ容量を搭載可能とのことです。
両社は2ビット/セル(MLC)の多値化技術による256Gビット品のサンプル出荷を、一部顧客に向けて開始しており、3ビット/セル(TLC)技術による384Gビット品については今春後半にサンプル出荷開始するとしています。両品ともに、第4四半期までには量産開始される見通しです。
参照元 : Intel、東芝
執 筆 : lunatic