2018年のiPhoneに搭載されるA12プロセッサは、台湾のTSMCが独占的に供給する契約をAppleと締結したと台湾メディアDigiTimesが報じています。事実なら、SamsungはA11に続いてプロセッサのサプライヤーから外れることとなります。
A11の10nmよりもさらに微細化が進む、7nmのA12
TSMCは、iPhone X、iPhone8/8 Plusに搭載されているA11 Bionicプロセッサを独占供給していますが、同社による独占供給は2018年も続くようです。
3モデルが発売されると予測される2018年のiPhoneに搭載されるA12プロセッサの供給についてTSMCがAppleと契約を締結した、とDigiTimesが報じています。
A12プロセッサは7nmプロセスで製造され、A11 Bionicプロセッサの10nmプロセスよりもさらに微細化が進むことにより、面積あたりの処理性能を引き上げることができるほか、省電力性能の向上にも期待がかかります。
TSMCは、2018年後半には5nmプロセスのプロセッサを製造できる工場を、台湾南部に建設する予定であり、2019年前半には試作品を出荷できる見込みです。
さらに、3nmプロセスに対応する製造工場を、200億ドル(約2.2兆円)を投じて2020年には建設を開始すると伝えられています。
なお、TSMCの張忠謀会長は、2017年11月にプロセッサの進化速度について「ムーアの法則はもう無効だ」と語り、TSMCは今後8年間、トランジスタの集積密度を上げ続けるが、2025年には進化が頭打ちになるだろう、と予測しています。
製造技術でTSMCに一歩出遅れているSamsung
2015年のiPhone6s/6s Plusでは、Samsung製のA9プロセッサを最後に、Aシリーズプロセッサのサプライヤーからは外れてしまっています。
Samsungも、7nmプロセスでの製造ラインは2018年後半に完成する予定で、6nmか5nmプロセスには2019年、3nmプロセスには2020年に対応予定とみられていますが、製造技術でTSMCに一歩出遅れているのが現状です。
なお、iPhone6s/6s PlusにはTSMC製とSamsung製のプロセッサが搭載されましたが、Samsung製プロセッサを搭載した端末はバッテリー消費が激しいとの指摘が相次ぎ「チップゲート」と騒がれました。ただしその後の試験の結果、有意な差は見られない、との結果となっています。
Source:DigiTimes, AppleInsider
Photo:iFixit
(hato)