Appleが、独自に開発を進めていると報じられているMicro LED関連の特許を34件、韓国で申請していることが分かりました。ライバルのSamsungやLGの動向を牽制する目的がありそうです。
Appleと子会社が34件の特許を申請
韓国の特許庁によると、Appleが韓国国内で申請したMicro LED関連の特許は、Appleによるものが11件、Appleが2014年に買収したLuxVueによるものが23件で、合計34件にのぼります。
特許申請の内容には、Micro LEDチップの構造、Micro LEDディスプレイの製造方法などが含まれます。
最近、Micro LEDを用いたディスプレイの独自開発を進めていることが報じられたAppleが、韓国でMicro LEDの特許を出願する理由について韓国特許庁の担当者は「将来、Micro LEDを製品に使うであろうSamsungやLGといった韓国企業を意識したものだろう」と語っています。
一方の韓国企業は、Samsung Electronicsが24件、子会社のSamsung Displayが24件、LG Electronicsが29件、子会社のLG Displayが35件、それぞれMicro LED関連の特許を申請しています。
iPhone XのOLEDはSamsungが独占供給
iPhone Xの部品別製造コストで最も高額な有機EL(OLED)ディスプレイは、Samsungが独占供給しています。SamsungはAppleにとってスマートフォン業界最大のライバルであり、知的財産権を巡って泥沼の法廷闘争を繰り広げた宿敵でもあります。
Appleは納入価格を引き下げ、供給上のリスクを分散するためにも、主要部品を複数のサプライヤーから調達する方針をとっています。
それでもiPhone X用のOLEDをSamsungから調達しているのは、iPhoneの需要に対応できる規模のOLED製造能力を持つ唯一のサプライヤーがSamsungだった、というのが理由とみられています。
Samsung依存からの脱却と訴訟回避が狙いか
Appleには、次世代ディスプレイとなるMicro LEDではSamsungへの依存度を引き下げるとともに、特許関連での争いを回避したい意向があると思われます。
0.1mm未満の超小型LEDを高密度に配置するMicro LEDは、省電力でコントラストや色再現性に優れて寿命が長く、OLEDの弱点である「焼き付き」も起きにくいという長所がある一方、現段階では製造コストが高いのが難点とされています。
Micro LEDを搭載する初のApple製品はApple Watchになると予測されています。
Source:Korea Herald
Photo:Business Korea
(hato)