アップルのCEO(最高経営責任者)ティム・クック氏は、最近の中国訪問でアップルが提供するモバイル決済サービスApple Payのサービス開始に向けて、中国国内の銀行やEコマースの大手Alibaba Groupと交渉を進めている模様です。
クック氏、中国でのApple Pay開始を強く望む
クック氏が中国の通信社の新華社に語ったところによりますと、アップルは中国国内でApple Payが利用可能になるよう金融機関と積極的に交渉しているようです。クック氏は「アップルは中国でApple Payのサービス開始を望んでいますし、積極的に展開しようと考えています」と述べているようです。
中国の経済成長と共に、中流層が増加しスマートフォンを所有する人々が増えています。このタイミングでクック氏は、アップルブランドの非接触式決済システムであるApple Payが、マーケットシェアを獲得できると考えているようです。
Apple Payは現在アメリカ国内限定でサービスを展開していますが、アップルは直ぐにでも海外で展開したいと考えているようです。
UnionPayとの交渉は決裂か
アップルにとっては魅力あふれる中国市場ですが、Apple Payをリリースしてからこれまで多くの課題に直面してきました。最大の難関は中国でクレジットカードとデビットカードを発行するChina UnionPay(中国銀聯)です。
今年初めにアップルは中国のUnionPayとほぼ合意に達し、3月からはApple Payのサービスが開始されると報じられていましたが、その後UnionPay側が保留としサービス開始の目処は立っていません。
Alipayとの提携を模索中
このような状況の中、アップルは3億人以上の会員を持つ、Alibabaのオンライン支払サービスAlipayとの提携も視野に入れているようです。昨年、AlibabaはApple PayやAlibabaの関連会社でAlipayの運営を担当する、Ant Financialと交渉を始めていると報じられていました。
中国のオンライン決済サービスで有力とされているAlipayは、QRコードを使ったPOSシステムを提供していますが、残念ながら成功しているとはいえません。
Apple PayのNFCとTouch ID技術を既存のAlipayサービスに付加し、コブランド製品として提供すれば両社にとって非常にメリットがあるのですが、提携合意に至るには解決しないといけない課題があります。例えば、アップルが主張する手数料は、中国市場では一般的ではなく決着するには難しいと考えられます。
アップル、中国市場は重要
アップルが中国市場を重視しているのは確かで、先日もクック氏はWeiboにアカウントを開設しコミュニケーションを取っていますし、環境に対する責任を果たすために、中国にソーラーファームを建設しています。
参照元 : Apple Insider、http://iphone-mania.jp/news-71520/
執 筆 : リンゴバックス