iPhone等のTouch IDはセキュリティからアップル以外では修理不可能
好調な売上げのiPhone6とiPhone6 Plusですが、多くの端末が販売されれば、当たり前ですが多くの端末が壊れることになります。多くのコンポーネントの中で、故障したときに気になるのがTouch IDセンサーです。
Touch IDは多くのアプリとも連携を開始
昨年リリースされたiPhone5sで初めて採用されたのが指紋認証センサーのTouch IDです。既に多くのユーザーが使用していると思いますが、リリース直後のiOS7上では、まだ限定された機能しか搭載されておらず、画面のロック解除とアプリの購入が出来るだけでした。iOS8になってTouch IDの開発ツール(SDK)が開発者向けに公開され、多くのアプリで連携が可能になりました。
今年リリースされたiPhone6/6 Plusでは、搭載されるTouch IDセンサーの耐久性も向上しているようです。また、新しいiPad Air2とiPad mini3にもTouch IDが搭載されました。Touch IDとNFCにより、モバイル決済のApple Payが可能になりましたが、暗号化された決済データやユーザーのプライバシー情報などはどのように守られているのでしょうか?
「エラーメッセージ53」はTouch ID関連のエラーか
中国のGeek BarはiPhoneなどのカスタマイズや修理を行っていますが、ここに水没したと思われる複数のiPhone6が持ち込まれました。これまでもエンジニアは水没したiPhoneの修理を行っており、修理が終わって電源を入れてみましたが、Touch IDのみがグレイ表示になったままで機能しませんでした。エンジニアは、これまでの経験からシステムエラーか、マザーボードにホコリやゴミがついていて、これが原因かと思いましたが、同期したiTunesでは「エラーメッセージ53」と見慣れないメッセージが表示されてしまいました。
Touch IDとA7やA8チップは1対1で紐付けされる
エンジニアが入念にチェックした結果、今回の「エラーメッセージ53」は、どうやらTouch IDが機能しないことと関連があるようです。Touch IDセンサーは、iPhone5sやiPhone6などに搭載されているA7チップやA8チップと、1対1で紐付けされています。もし、Touch IDセンサーが交換されてしまうと、対応するA7チップやA8チップとの関連性がなくなり、機能しなくなってしまうのです。
Touch IDの損傷でもiTunesのリストアはしない方が良い
もしTouch IDセンサーが損傷してしまった場合には、iPhoneをiTunesに接続してリストアしない方が賢明です。なぜなら、先ほどの「エラーメッセージ53」が表示され、リストアできなくなってしまうからです。アップルはApple Payのサービス開始と共に、ユーザーのプライバシー保護を厳格にしています。これはユーザーにとってはとても有り難いことですが、この結果、データの暗号化や機器の機密性も非常に厳しくなったようです。特にTouch IDでは機器自体に暗号化が施されており、Geek BarのようなiPhoneの修理を行うサードパーティーのサービスプロバイダーでは、残念ながらこの暗号化を解除することは出来ません。修理が必要な場合にはアップルに依頼するしかなく、高額な費用になると思われます。
iPhoneなどの機器の保証が切れてしまった場合には、Touch IDセンサーは丁寧に扱った方が良さそうです。
参照元 : GeekBar
執 筆 : リンゴバックス