中国のアリババが展開する決済システムAlipay(アリペイ)が、iPhoneのTouch IDに対応するモバイルアプリをリリースしました。China Dailyが報じています。
AlipayがTouch IDで利用可能に
Alipayの最新アプリを使えば、ユーザーはパスワードを入力しなくても、Touch IDによる指紋認証で決済が可能となります。
業界アナリストらは今回のTouch ID対応について、中国最大の決済システムであるAlipayと、Appleが提供する決済システムApple Payとの提携の布石ではないか、と分析しています。
Alipayが発表したプレスリリースによると、Touch IDを搭載したiPhone5s、iPhone6およびiPhone6 Plusのユーザーは、「Alipay Wallet」アプリを最新版のバージョン8.4に更新すれば、指紋認証による決済が可能になるとのことです。
Appleとアリババ提携の第一歩
Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)とAlibabaのジャック・マー会長は昨年秋から、電子決済分野における提携について協議を進めてきたことは、本サイトでもお伝えしました。今回のTouch ID対応は、提携が初めて具体的な形になったものと見てよいでしょう。
China Dailyによると、Alipayのユーザー数は3億人以上で、中国市場を独占しています。アリババとの提携は、中国市場ではXiaomi(シャオミ)などの中国メーカーやサムスンとの厳しい競争にさらされているAppleにとって、メリットであることは間違いありません。
Chineseinvestors.comのアナリストであるニール・フリン氏は、AlipayとApple Payが統合されれば、中国消費者がアメリカのサイトでAlipayで決済可能となるため、買い物がしやすくなると述べています。
またiResearch Groupのアナリスト、ワン・ウェイドン氏は、Apple Payの中国での展開について、バックエンドサービスをAlipayが提供し、支払いはAlipay口座から行われる可能性もあるのではと分析しています。
参照元 : China Daily
執 筆 : lunatic